【応援メッセージ⑦】アートディレクター・芹沢高志さん
vol. 24 2022-10-27 0
数々の国際芸術祭のディレクターを務めてきたアートディレクターの芹沢高志さんより応援メッセージをいただきました!
遠山映画の魅力はその風景にあると思う。撮影監督の森賢一の力も借りて、眼前に流れていく風景は不思議な美しさに満ちているが、そういう目に見える風景だけではなく、それに重なるように、人々の心のなかに広がった、移りゆく心象の風景も静かに映し出されていく。目に見える風景と目に見えない風景が呼応して、静かな説得力を獲得していくのだ。それに今回は、誰にでも起こりうる災い、息子の喪失によって引き起こされた内世界の災いと、豪雨災害によって引き起こされた外世界の災いとから構想が練られていったと聞く。だからおそらく、誰にとってもより身近な、それゆえ誰にとってもより深く広がった内奥の風景が展開されていくことになるのだろう。川の流れもいいな。期待している。
芹沢高志[せりざわ・たかし]
1989年にP3 art and environmentを開設。99年までは東長寺境内地下の講堂をベースに、その後は場所を特定せずに、さまざまなアート、環境関係のプロジェクトを展開している。現在はP3 art and environment 統括ディレクター、さいたま国際芸術祭2023プロデューサー。