素焼きが終わり~釉薬がけのスタート
vol. 11 2021-11-26 0
前回から少し時間が空いてしまいました。
本焼きという最後の高温焼成をする前に、素焼きという段階があります。
土によって違いますが、概ね本焼きが1250℃、素焼きは800℃という低温です。
素焼を終えた器たち。だいたいのものが肌色系の色になります。
一度完全に乾燥させた粘土は、水に浸すとほろほろと崩れ溶けていきます。
昔は「生がけ」といって、素焼きをしていない器にそのまま釉薬をかけていた時代がありました。そうすると、やはり手早く行わないと失敗が多いので、一度低温で焼き固めるという工程が編み出されました。
(その不安定ながらも味わいのある昔風の焼き上がりを狙って、今でも生がけをする作り手がたくさんいます。唐津焼の作り手にも多くその傾向が見られます。)
この素焼きで素地が丈夫になった利点を生かし、とがった部分のバリをサンドペーパーで落としていきます。いったん硬く焼きしまってしまうと残ってしまったバリは怪我のもとになりますし、削るのにも硬すぎて一苦労です。
釉薬がけの前のこの工程は知らない人も多いと思いますがとても大事なものです。量によっては丸一日かかる骨の折れる仕事です。
しゃばしゃばの泥のような釉薬をかけ、窯に積んで本焼きにのぞみます。
今日一日釉薬がけをして明日焼成。週明けには窯から出せるでしょう。
週末あたりから一気に冷え始めるとの予報が出ています。
皆様もどうぞご自愛くださいませ。
焼き上がりのことなど、また追ってご報告させていただきます。
赤水窯 熊本 象