震災から14年 “愛子さん”のこと ③日和山へ散歩
vol. 7 2024-12-12 0
日和山は石巻のシンボルの場所。高台にある。石巻の中心地や海が見えて地元の人だけでなく、石巻に観光に訪れる人が必ず立ち寄る場所だ。大地震が起きた時に多くの人が日和山に避難したという。津波が襲ってきた時には、どんな場面を見たのだろうか。
私は、愛子さんと日和山に登った。一緒に過ごした湊小学校(避難所)も見える場所だった。旧北上川や石ノ森萬画館が見えた。
「この頃は、朝は毎日チーズとトマトね。それで雨が降ったりしてね、雨垂れの音が全部違うからタタタタンタン。それで私は一人じゃないんだって。それをノートに書いて、一人遊びができる。雨垂れでもなんでも楽しみにして、お日様になんでも話しかけて。健康になれば、お稽古事ができて、なんでも一人でできるじゃない、一人遊び。これからの時間の贅沢さを思えばいいじゃない?津波は1000年に一回。それに出くわすなんて、その幸せしかない。それ言うとみんなに叱られたけど……。毎日嬉しいことがある。雲の形一つでも嬉しい。いろんな方にお会いして、津波さんのおかげで会えたし。ほら藤川さんにも会えたでしょ!津波のおかげ!」
そんな話をしながら、一緒に石巻の街を眺めた。