『ぼくはひとりで』に描かれるメコンデルタの美しい自然
vol. 18 2021-06-29 0
おかあさんがつみにいった「たべられるはな」とは?
絵本『ぼくはひとりで』の主人公は、勇敢な少年アンとメコンデルタの自然です。
アンがまだ暗いうちに舟をこぎだしてから目的地にたどりつくまで、メコン川はさまざまに表情を変えていきます。
ここに描かれる動植物のなかで最初に気になるのが、お母さんがつみにいく「食べられる花」。
これは「セスバニア(Sesbania)」というマメ科の植物の花で、ベトナム語では「dien-dien」と呼ばれるそうです。
ベトナム南部、カンボジアとの国境付近のメコンデルタ地域によく見られ、8月〜9月頃になると水辺に黄色い花をたくさん咲かせるそうです。雨季に田畑が水におおわれてしまうと野菜がとれなくなるので、こうした花を野菜がわりにして鍋やスープに入れたり、炒め物にしたりして食べるそうです。
写真出典:https://dulichhoangviet.vn/am-thuc-viet-nam/ve-cha...
メコンデルタに暮らす人たちにとって、とても身近で郷愁を誘う花。
ベトナム南部のホーチミン市でも市場などで売られているそうです。その花を食べたことがある友人は「ちょっと甘い野菜みたいな味」と教えてくれました。
一方、北部ハノイで生まれ育った友人は「あまり見たことがない」と言っていました。
*****
絵本のなかでもうひとつ名前が出てくる植物が「メラレウカ(Melaleuca)」。
写真出典:https://www.vietnamimmigration.com/vietnamimigrat...
別名ホワイト・ティーツリーと呼ばれるフトモモ科の常緑樹で、夏から秋にかけて白い花を咲かせます。(さらに別名カユプテ=マレー語で「白い木」の意味)
すっきりとした香りが特徴で、葉や小枝から採油したエッセンシャルオイル(精油)はアロマセラピーにも使われます。
上の写真はベトナム・アンザン省にある人気の観光地、チャースー鳥類保護区(Tra Su Bird Sanctuary)のメラレウカの森。絵本の中で少年アンが通る道によく似ています。
*****
クラウドファンディングは6月30日まで。残り2日間となりました!
引き続きよろしくお願いいたします。