クラフト工房の女性たちより*皆様からの支援金を受け取りました!
vol. 12 2020-12-30 0
*エクマットラハンディクラフト工房の女性たちへご支援をくださった皆様へ
(エクマットラ 渡辺麻恵さんからの報告です)
この度は多大なご支援をいただき本当にありがとうございました。日本も大変な状況の中、こうして沢山の方々が番組をご覧になり遠く海の向こうで生きている人々のことを思いやってくださったこと、今の世界において本当に素晴らしく、尊いことだと感じております。
そして、この度皆様からいただいた工房で働いている女性たちへの支援金を、どういう形で女性たちへ渡すのが一番良いのか、何度も運営スタッフ内で検討を重ねてきました。工房の女性たちは、農村の貧困の中で衣食住もままならず閉鎖的な環境にいた女性たちですが、工房で働き始めてから今現在は自分の仕事に自信と誇りを持ち始め、胸をはって自分の足で歩き始めている女性たちです。
今年は新型ウィルスの感染により工房の運営も窮地に立たされましたが、そんな中でも明るさと優しさを忘れず、逆に運営側の私たちを「私たちは何もないところから今まで進んできた。いつも大変な人生だったから大変なことには慣れてるのよ。だから大丈夫。オーダーや販売する場所がなくなっても、またみんなで一から頑張ればいいじゃない。だからどうかあなたも落ち込まないで。」と笑顔で励ましてくれました。
工房設立の面接時には、俯きがちで暗い表情だった女性たちが、働くということを通じて本当に大きく成長したのだと、その変化に胸がいっぱいになりました。そうした女性たちの現状を踏まえ、ご支援を現金として今すぐに全額渡すよりも、きちんと仕事の報酬として彼女たちに毎月渡しながら、一人一人に口座のようなシステムを作りお金の管理の仕方を教え、継続して彼女たちの人生の支えとなるような使い方が、今の彼女たちにには最適なのではないかという判断に至りました。
具体的にはいただいた皆様からの支援金でアカデミーや地域の子どもたちが必要としている洋服や生活用品、タオルやベッドシーツなどをクラフト工房で作り、通常の仕事とは別途に報酬を女性たちへ渡し、出来上がったものはアカデミーの子どもたち、近隣の乳幼児がいる病院、地域の方々へお渡しさせていただこうと思います。
また、バングラデシュでは衛生環境上の理由から、出産前後の女性の病気への感染率や乳児死亡率も多く、女性は皆命懸けで出産をします。私たちが運営している工房のスタッフたちの中にも、現在三名の妊婦さんや産休に入っているスタッフ、健康状態が良くないスタッフがいるのですが、女性たちが安心して長く元気に働けるよう、いただいた支援金から彼女たちや乳幼児を中心に健康診断を実施して、医療保健のサポートをしていきたいと思います。
ですので、皆様からの女性たちへの支援金は数か月に渡り女性たちへの恩恵となっていきますが、1円たりとも無駄になることがないよう、私が責任を持ち大切に使わせてただきますのでご了承いただければと思います。
サヘルさんのことをいつも、工房の女性たちは「わたしたちの家族」と嬉しそうに話しています。サヘルさんのお話に涙し、最後は笑顔で抱きしめあっていた彼女たちですが、それはサヘルさんの中に自分自身の痛みや悲しみを見出し、心でも抱きしめあえる瞬間があの一日の中で沢山あったのだと思います。
遠い地までやってきて、私たちの子どもたち、女性たちに沢山の優しさと愛を授けてくれたサヘルさん、陽子さん、本当に本当にありがとうございます。また、番組を見て支援してくださった日本の皆様の温かいお気持ちにも、改めて感謝をお伝えいたします。彼女たちの誇らしい笑顔を守っていけるように、これからも私たちはバングラデシュで頑張ります。この度は本当に本当にありがとうございました。
エクマットラハンディクラフト工房代表 渡辺 麻恵