イラク*ヤジディ教徒の女性と子供たちへ支援金を渡しに行きました!
vol. 11 2020-12-27 0
*JIM-NET イラク駐在員 牧野さんによるリポートです
12月初め、JIM-NETの現地スタッフ2名とともに、イラク・ドホーク県にあるハルマンという施設を訪れました。施設の広場ではヤジディ教徒の子どもたちが元気に遊びまわっており、小さな、寂しい村の中で唯一活気の溢れる場所でした。
この支援金の渡す日に合わせて、施設のスタッフさんがワークショップに参加する女性たち24名全員を集めてくださり、すでに僕たちを待ってくださっていました。
サヘルさんの番組に出ていた女性たちも何名か目に留まり、テレビの画面の中に迷い込んだような、少し不思議な気持ちになったのを覚えています。
私たちJIM-NETの紹介を少しさせていただき、日本から届いたサヘルさんからのビデオメッセージを女性たちにご覧いただきました。何名かは「あ、サヘルだ!」と言って、じっとサヘルさんの話す姿を観ていました。
支援金を渡した際も、「サヘルは私たちのことを忘れなかった」、「手を差し伸べてくれた日本の皆さんにも感謝を伝えてください」、「みなさんのためにいつも祈っています」と、中にはJIM-NETスタッフの手を握って話してくださった女性もいました。
過激派組織IS(イスラム国)によるヤジディの人々に対する迫害が報じられ始めた2014年以降、彼らへの関心は日を追うごとに少なくなりました。「メディアが来たとしても私たちの窮状を報じて終わり。何の助けもなかった」と、彼女たちも話してくれました。「しかしサヘルはしっかり約束を守って、日本の皆さんとともに私たちに手を差し伸べてくれた。直接お礼を言いたいから、早くまたイラクに来てほしい」、とも語っていました。
またヤジディの女性たちに渡した支援金とは別に、ハルマンの施設に6,000ドル(約66万円)を寄付しました。これから厳しくなる冬に向け、ヤジディの人々に対するストーブ支援のプロジェクトに充てさせてもらうそうです。
サヘルさんとの繋がりをもたせていただいた日本の一NGO職員として、日本とイラク、この温かい橋渡しができて光栄でした。この繋がりを通して、日本の皆さんがヤジディの人々に対して、またイラクという国に対して関心を持ち続けていただければと、切に願っております。
サヘル・ローズから支援者の皆さんへメッセージです
『サヘルの旅』を通して出会ったヤジディ教の女性たち。
イスラム過激派組織ISによって家族を殺された女性たち、子どもが誘拐された女性たち、生きる希望を奪われた女性たち。。。
初めて会った日の事は今も鮮明に覚えています。こちらを見る大きな瞳には生命力は感じられず、悲しみと、希望の見えない明日を感じた。
ここに来ては、みんな私たちを忘れていく。世界は私たちを見放した。
とてもとっても心にうけた傷は計り知れない。私にできる事はなんだろうか・・・
お金で解決されることではない。この痛みと悲痛は一生癒えない。唯一できる事は、お母さんたちの、女性たちの心の声を届け続ける。
無関心な世界がうんだ、無関心が生み出す残酷な世界。それを変えるためには伝え続ける、同じことを繰り返さないためにも。
私は約束した、この声を届けると。実際に日本で多くの方々、、皆様は彼女たちの声を抱きしめてくださった。
そのエネルギーがクラウドファンディングをすることへと繋がり、多くの皆様からヤジディ教徒のお母さんたちへと思いが集まりました。
残念ながらコロナの影響もあり直接、私が渡しに行ける状況ではなくなってしまった。
そこでシャハワンさんご一家のサポートをしてくださり、ずっと現地から言葉を届けてくださっているJIMーNETのアンドレさんとリームさん、ラワンドさん、亮平さんが私のメッセージと共に、皆さまから頂いた支援金を直接届けてくれました。
本当に感謝しかありません。ありがとうございます。ヤジディ教徒の皆さんへ頂いた支援金は施設へのサポートと、女性たち24人に均等に分けて、皆様から託された思いと共にお届けしました。
ここにいるお母さん、女性たちは、大事な家族や心を、戦争によってイスラム過激派組織ISに壊されています。修復は簡単ではない。
でも、1人じゃないよ。みんな、ちゃんと思ってくれてる。皆さんは見放されてない。
無関心は人を殺してしまう。でも、心の寄り添いは、人を生かし続けるのです。
そう、信じています。
改めて、ご賛同くださった皆様、心から、本当に、本当に感謝いたします。
どう、お礼を申し上げたらいいのか、ありがとう、ありがとう、ありがとう。
本当にありがとうございます。
サヘル・ローズ