ニュージーランドワーホリでいきなりマネージャーになった話(本の原稿少し公開#6)
vol. 10 2021-05-05 0
2013年11月より、ワーホリビザをもってニュージーランドへ入った。
オークランドに降りたつとき・・・空から見たあまりの美しさに驚いた、青い海と緑の大地。そして実際に街に降りたってみると、その前はゴミゴミしたフィリピンから来たもので、それが同じ惑星とはとても思えないほど、その美しさに感動もした。
この時すでにニュージーランドのいたるところに知り合いがいたので、彼らをたどりながらヒッチハイクで北島の最北端から南島を目指して旅していた。
道中怪しいフランス人と一緒にヒッチハイクしていたので全然拾ってもらえなかったり・・・逆に大型長距離トラックが止まってくれたらハイタッチして喜んだり。
ニュージーランドの田舎などに行くとアクセントの物凄く強い何言ってるかわからない英語をしゃべる人だらけ。そんなところで、泊まっていきなよと言って家に招待してくれる人もたくさんいた。
すでに世界一周を終えたあとのワーホリだったので、見どころをみるというよりも、大自然を楽しむ、旅の道中、出会い、自分のハートの赴くままに楽しいと思える旅にするという着眼で旅をしていた。
そしてひと月くらい立ったころに南島のどこかでゆっくりボランティアで滞在しながら仕事でも探そうかな・・・と思っていた。
前回のカナダワーホリはバンクーバーとイエローナイフ、大都市と観光地だったので、ちょっと違う経験がしたい、小さめの町、海があって山があるところがいいな。
道中出会ったニュージーランド人におススメはないかなと聞いたところ。みんながみんな『Nelsonだ!!』とおススメしてくれたのでそこで滞在できる場所を探すことにした。
ワーホリで効率的な仕事の探し方もネットを使う。例えばグーグルなどで『Nelson guesthouse』とか『Nelson restaurant』などで検索してみる。すると・・・無数にホームページリストに出てくるので、それにかたっぱしからナイスなメールとレジュメ(英語の履歴書)を送る。100通くらい送って帰ってくる返事は5つくらいだったかな??その中でもスカイプ電話まで受けてつけてくれたのが2つ。そして決まったのが丘の上にある豪邸、BnB(ベッドアンドブレークファスト)と言うスタイルの宿、日本で言うところの伝統的な旅館といった感じかな。
ネットでうまく検索とマッチングができたのですでにネルソンという町にも行ったことない状態で仕事が決まっている状態だった。すごい!!
とはいえ、それはWork-Exchangeからのスタートだった。
一日2時間掃除をする代わりに住む場所を提供してもらえるという条件でそこに入った。一週間ほど見てみて、ちゃんと働くのであればそのまま雇ってもらえるという話、これは旅人が旅費を抑える上でよくやる手段だ。
山に囲まれた小さな町、海沿いの町でもある。町はずれの丘の上の大きな国の文化財に指定された立派な屋敷が僕の住んでたゲストハウス。
そしてそこは地理的にニュージーランドの中心とも呼ばれる場所であり、僕が働いていたゲストハウスの裏山はセンターオブニュージーランドと山があった。また、ネルソンは晴天率がものすごく高いといわれているのも特徴でありニュージーランドの空と海はものすごく青かった、、
最初は無給ではたらいていたんだけど、、、面白い出来事が起きた。
なんと僕の上司にあたるマネージャーが奥さんとケンカをしたらしく。いきなりいなくなってしまったのだ。
そこでオーナーのAlexという女性が『給料を出すのでここに残ってほしい』と言ってきたので二つ返事でOKをした。そんなキラーパスで仕事をゲットできた。(なんかカナダワーホリの時もこんなことあったような・・・)
最初は、掃除と朝食の準備だったんだけど、いつの間にか車に乗って買い出し、時にはお客さんの空港送迎やったり。予約管理、電話対応・・・・イベント設営やカメラマンなど徐々に任されることは増え、気がついたら運営をほとんど一人で回している状態。最終的には自分の給料までも自分で決めていいよと言われていたほどにユルい。
やる事はたくさんあって基本的に忙しかったけれど、それはとても働きやすくて居心地がよかった。僕のように昔から部活でもアルバイトでも仕事でポンコツとされてきた人でも真面目に働くということだけで重宝してくれる、そんな場所が自分にもあったんだ。いつかそんな場所に出会えるのかなと半信半疑だったんだけど、海外で働くとこれほどまでに心地が良い、ただうれしかった。
思い出せばカナダワーホリの時もそうだった、日本人を主体とした職場も現地の職場も、どちらも働いたことがあり、それらを比べてみると、ワーホリ人気国では日本人オーナーの下で働く日本人ワーホリを搾取してるようなところばかり。
だけど現地人の中で働けば、サービス残業という概念もないし搾取もないから賃金も高く、無駄なストレスはなく働ける。
日本人的感覚で真面目に時間も守り働けば評価され、賃金もあげてもらえた。英語自体は満足にしゃべれないけれど、若かったこともありかわいがってもらえた。
ニュージーランドははもっとtake it easy! 人の自由を尊重してくれて、無駄なストレスはない、そんなに立派じゃなくてもよいよといったユルイ社会、基本いい加減で雑な人ばかりなので、日本人らしくただ真面目に働くだけで評価される、それで回る豊かさ、経済面も心も余裕があって豊かだ!
朝起きて、バルコニーで優雅にお茶をすすって、おばあちゃんと猫の世話をして、掃除をした後に、お客さんの案内をする。時間がある時は町にでかけたり、そこでできた仲間とバスケする。
お客さんが少ない時には休暇をもらっては遠出してニュージーランドの大自然を存分に楽しんだり、とても充実したワーホリ生活だった。それはとても豊かな生活。今までずっと求めていた旅の終着点がここだったのかなと思っていた。