【応援コメント9】ライターの佐藤友美(さとゆみ)さんからのメッセージ
vol. 11 2025-10-26 0
ライターの佐藤友美(さとゆみ)さんから応援コメントをいただきました。
さとゆみさんはかつて日本酒BARあさくらで金曜バイトを担当してくれて、現在は日本酒サロン粋の店主であり現役のライターでもある堀香織さんからのご紹介で店に来ていただくようになりました。
たまたまですが、同学年(さとゆみさんは早生まれ)ということもあり、ご来店の度に楽しくお話をさせていただいてます。
せっかく本人と知り合ったのだからと何冊か著書を読ませていただいたのですが、非常に分かりやすくポイントが伝わってくる文章で、呑んでいる時に時折見せる明晰さと通じるところがあるなあと納得。
さとゆみさんはライターとしても数多くの著書をお持ちですが、ライター講座を開き後進のライターを育ててもいらっしゃいます。その講座出身者と共に運営しているWebメディアCORECOLORコレカラも楽しく読ませてもらっています。
直近では「すばる」11月号に書評が載ったり、先月ですが羽鳥慎一モーニングショーに出演されたりと活躍目覚ましいので同学年として、こっちももっとがんばらんとアカンなあと勝手に刺激を受けています。
今回いただいた応援コメントを読んだ時、「え!?こんな素晴らしいコメントいただいちゃっていいの?」と恐縮してしまいました。クラウドファンディングの応援コメントという枠におさまらず、普通に読みものとして素晴らしいのでぜひご一読ください。
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私が好きな本『シェフを「つづける」ということ』(井川直子/ミシマ社)の帯にはこんな言葉が書かれています。
「10年続けば奇跡。30年続けば伝説」
一般的に、飲食店は1年以内に約30%、10年以内に約90%が廃業してしまうそうです。だから20年を迎えた「あさくら」さんは、奇跡の10年を超え、伝説の30年に向かうその道のりのちょうど真ん中なのだなあと、このクラウドファンディングのページを見ながら思っていました。
先日、朝倉さんに聞いてみました。
「20年の間に『ぼうず』の日ってありました?」
「ぼうず」というのは、お店にお客さまが一人も来ない日のことを指します。
知り合いの税理士さんに聞いたのですが、「売上は決して悪くなくても、ぼうずの日が一日あったら、心がぽきっと折れる人が多い」のだとか。だから、20年も続けてこられた朝倉さんはどうだったかなあと思ったんです。
「たくさんありましたよ」
と、朝倉さんは言いました。お隣にいた奥様が
「お客さまが一人も来ないと、ああ、今日一日、この店は世界中の誰からも思い出されなかったんだなあと思って、悲しくなるよね」
と話します。
そんな心がぽっきり折れそうな夜を、朝倉さんはどんなふうに超えてきたのだろうと聞いたら「一日単位で考えないようにしているんです」とおっしゃいました。「もっと長い目で見るんです」と。
これが「奇跡」を超え「伝説」になろうとしているお店の20年なのかと思いました。
これからも長く長く、常連さんたち、これから常連になる人たちの大切な居場所であってくれますように。
伝説になるまでのあと10年、もうぼうずの日が一日もないように、私たちせっせと順番に「あさくら」を思い出しますね。
佐藤友美(ライター)
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