酵母の可能性
vol. 6 2019-11-15 0
こちらは神戸市西区の生産者
「チアファーム元農園」の浅川元子さん。
タンクからビールを樽詰めした後に残るビール酵母を
畑の土作りに再利用して下さっています。
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ビール醸造に欠かせない酵母とは。
簡単に説明すると、ビール酵母は麦芽が持つ糖を食べてガスを発生させます。
それによってアルコールが発生し、麦汁がビールへと生まれ変わります。
酵母は菌。生きています。
そのため一度醸造した後もその酵母を再利用し、
培養するなどして二度目の醸造に使用することも可能ですが、
IN THA DOOR BREWINGではそれをしていません。
理由としては細菌感染のリスクを避けるため。
ビール酵母以外の菌に感染した場合、
例えばそれが乳酸菌などで、たとえ体に害はないものだとしても、
ビールの味が大きく変化してしまいます。
私たちはそれを避けるために酵母については再利用せず破棄していました。
でも生きてるし、、、これもまた複雑な思いでした。
そんな時にタイミングよく声をかけてくれたのが浅川さんです。
畑の土作りに納豆菌などを使用される生産者さんは多いらしく、
それと同じようにビール酵母を使ってみたい、と提案してくれました。
それから約3年、定期的に浅川さんへ酵母をお渡ししています。
↑↑ ビール酵母が使われた浅川さんの畑です。
(酵母は菌だから見えないけど)
これは夏場の畑の様子で、
ビニールに覆われた部分に酵母は使われています。
酵母は温度が上がると活発に動き始めますので、
この熱い土の中で活動しはじめ、
土をフッカフカにしてくれるそうです!
↑↑ 今この時期の浅川さんのお野菜はこんな感じ。美しい。
美味しいビールを造ってくれた酵母たちが
土の中でも頑張ってくれています。
これもこのプロジェクトで推し進める
「シティ・サーキュレーション」の一例です。
私たちブルワーという立場からだけでは思いつかない、
それぞれのフィールドに立つ人達の提案で素敵な循環が生まれています。