地域の自治協にご挨拶
vol. 19 2024-11-19 0
高屋地域には5つの自治協議会(地域やさまざまな団体と行政が連携しながら、地域を包括的に運営する組織)があり、西高屋駅周辺には『中島地区』という自治協議会がありました。
地域貢献とは言うものの、地域が求めていないことであればそもそもやる意味もないですし、価値ある取り組みだとしても、コミュニティの外から来た人間達が、「町でこんなことをやりたい!」と夢を語っても、入り方を間違えると勝手に町を荒らす人間のように浮いた存在として勘違いされてしまうかも知れません。
地域と4年間付き合ってきた高屋出張所の村瀬所長はそのことをしきりに気にされていました。
弊社の考えはあくまで「Town&Gown構想に賛同した地域貢献への取り組みである」ということを、時間をかけて地域の方々にご説明して、ご紹介出来る土壌が整ったタイミングで一度自治協に来てもらって挨拶をして欲しいと言われていました。
そんなやり取りを7月頃に交わし、それから2ヶ月後の9月末、中島地区の自治協議会にご挨拶に伺うことになりました。
今考えるとこの時が一番緊張していたかもしれません。
高屋西地域センターに行き、会場に入ると15名ぐらいの方々がいらっしゃいました。顔見知りである村瀬さんや戸田さんにご挨拶をしたものの、その他の皆様に対しては、どなたから先に挨拶すべきかも、今挨拶すべきなのかもよく掴めず、とりあえず会議開始の時間まで静かに待っていた記憶があります。
会議が始まり、JR西高屋駅に併設される情報ラウンジの進捗状況について報告がありました。これまでもTown&Gown構想のまちづくりのメインテーマとして取り上げられてきたようで、地域にまつわる『白鳥伝説』とも絡めて駅周辺の活性化をどのように行っていくかという議論が挙がっています。私は完全にオブザーバーの立場として、話の経緯を、メモを取りながら追っていきました。
ひと通りの議題が終わった後、村瀬所長が改めて「今回皆様にご紹介したかったのが、駅前の空き家をリノベーションして地域と学生を繋ぐ交流拠点を創りたいと考えているマエダハウジングの松本さんです。」と私のことを紹介してくださいました。
その流れから、私が考えているアイデアを話して欲しいということでしたので、それから約10分程度、私の描く夢と構想を皆さんに語りました。
周りの反応を見ながら、丁寧に、丁寧に。
話し終えた後それぞれの方から意見を頂きました。
「町が盛り上がっていくことは嬉しい。」「外部からの刺激も必要なのだと思う。」という肯定的な意見がある中で、「コミュニティスペースとやらが出来るだけで、果たして知らない人同士の交流が生まれるものでしょうか?」と素直な感想を伝えてくれる方もいらっしゃいました。
『今ここにないもの』はなかなかイメージすることが出来ません。私には友人のお店『ゲストハウス縁』のようなお店がここにあれば、きっと交流は生まれるという確信があったので、懐疑的な意見にも真摯に耳を傾けつつ、
「建物を作ることが目的ではなく、今までは関わる機会の無かった人同士が一緒に創っていく過程に意味があるんです。一緒にモノを作っていく過程で、作業とは関係のない自然なコミュニケーションは必ず生まれます。」と伝えました。
2時間ぐらいの会議もあっという間に過ぎ、それぞれと名刺交換をさせて頂く中で、まずは一歩、地域の方々とお近づきになれたような、そんな一日でした。