【残り3日】闇夜に響くカラスの声は何を言う
vol. 118 2021-01-13 0
117日目終了。
本日もご参加頂きました。
もう終了間近なのにありがとうございます!
残りの日程もギリギリまで踏ん張ります!
新月の夜に始めたこのプロジェクト。
最後の新月の日がやって来た。
月の周期は29.5日。
120日間が終わろうとしている。
最後の闇夜に何を思う。
古来より闇夜に人は願い事をしたという。
僕はこのプロジェクトを開始した時に何をお願いしただろう。
織田とバンドを組んでいた頃、闇夜を歌にした。
彼は闇夜の月を見上げて「なんで今日はいないの?」と聞く。
彼女は闇夜の星を見上げて「今日は星が綺麗ね」と口にする。
小鳥が闇夜の空を見上げて「なんで何も見えないの?」とつぶやく。
そんな歌だった。
僕たちは新月の夜に僕たちの心を見る。
月のない夜にどこかから闇に紛れた漆黒のカラスの鳴き声が聞こえてきた。
あれは、なんと叫んでいた?
そもそもカラスは本当にいたのだろうか。
全ては幻なのかもしれない。
根源的な闇の中でゆらぎが生まれる。
ゆらぎから光が生まれて、音が生まれて、星が生まれた。
けれどそれは、永劫の時の流れからみたら、やはりゆらぎ以上のものではない。
僕たちは闇の中の、わずかなゆらぎでしかない。
観察者すらいないのであれば、そのゆらぎは意味を持たない。
いつか生まれたゆらぎのエネルギーが偏り続けて。
無限の時間を越えて偏りがビッグバンを生み出した。
収束が拡散を生みだして、拡散のわずかな途中経過に僕たちは存在している。
闇は闇でしかない。
暗い虚ろ。虚無。
光も音も生まれる前のゆらぎを僕は知ってる。
それはいつも僕の中にもあるから。
それを何もないというのか。
それを何かあるというのか。
無であり、有である。
恐ろしく微かな、僕の中のゆらぎをなんと呼ぶのか。
そこには神性も仏性もありゃしない。
運動になる前の乱数。
拡散し続けたゆらぎは意味をまとっていく。
星は運動をみつけて、時間をみつけた。
光は芸術を生んで、音は音楽をみつけた。
時間と芸術と音楽は、生と死を生み出した。
生と死の間で僕は何を夢見る?
真実と虚構になんの違いがある?
心を映す鏡があったのならどれだけ楽だろう。
目で見える、言葉で聞こえる、僕は僕の正体がわかってないよ。
わかっていることはまだ僕の中では拡散し続けていて。
涅槃は遥か先だということだけ。
闇夜に僕は僕の心を探す。
色のない空。
わかってねぇなぁ。
なぁんにもわかっちゃいない。
センスなんかいらない。
バランスなんかいらない。
直感だっていらない。
わかれたらなぁ。
瞬間でもいいから。
わかったふりさえできねぇなぁ。
見つからないとわかっていながら。
月のない夜に僕はまた探そうとしている。
118日目が始まる。
現実を生きながら。
目標に向かって走りながら。
夢を見ながら。
多層的に生きている。
残りたったの3日。
新しい月が生まれる。
クラウドファンディングの期間が終わった後。
僕ももう一度生まれ変わるのだろうか。
映画が完成したら生まれ変わるのだろうか。
闇の中でも僕の体はここにあって。
そこに確かな地面があるのかもわからないまま、また一歩踏み出す。
いただいた勇気だけがその一歩の力。
小野寺隆一