残り3日!!カプセルタワービルの先端・塔屋も3次元で保存!
vol. 7 2022-08-07 0
昨日は建物の地下にあるボイラー室や電気室、空調機械室などの計測風景を紹介しましたが、本日は建物の先端である塔屋の計測風景についてご紹介します!
◆あの「中銀」のサインがある裏側へ
塔屋は「中銀」のサインがある先端部です。
サインの裏側には高架水槽や冷却棟などがあります。
ちなみに読み方を間違えやすい「中銀」の文字。
皆さんはなんて読みますか?ちゅうぎん?なかぎん?
正解は「Nakagin」でした。
B棟の塔屋サインはアルファベットでNakaginとなっていますね。
名前の由来は中央区銀座から"中銀"となったそうなのですが、読み方は「なかぎん」です。
◆塔屋の撮影は、まるでパズル
いざ、あのサインの裏側である塔屋に登ります。
塔屋の中は狭い上に、配管が入り組んでおり、レーザースキャナーがおけるスペースが限られています。
そのため、配置を工夫しながら、死角のないようにスキャナーの高さを変えて繰り返し計測を行う必要があります。
塔屋へは、はしごで登っていきます。
人が1人ギリギリ通れるくらいの開口しかないため、機械を上に上げるのも一苦労です。
精密機械かつ高価な機械であるレーザースキャナを落とさないように、細心の注意で上にあげます。
◆上空からはドローンで空撮
三脚型のスキャナーからは撮れない部分は、上空からドローンで撮影します。
ドローンによる航空測量も、隣り合う写真がオーバーラップするように、少しずつ飛行位置を変えて撮影します。
◆狭いスペースで、忍者のように、そしてスパイダーマンのように撮影
一眼レフカメラによるフォトグラメトリーによる記録も実施。
足場がない中、淵に立ったり、配管の間をくぐり抜けながら撮影しました。
ちなみに、プロジェクトメンバーで以前に訪れた宮崎県の旧都城市民会館の計測時も雨だったのですが、またしても雨予報!
なんとか雨が降る前に撮影を終え、無事に記録を残すことができました。
フォトグラメトリーで3Dモデルを生成するためには、隣り合う写真がオーバラップしていないとモデルが繋がりません。頭の中でどのように写真が繋がるかをイメージしながら、限られたスペースで撮影していきます。
そのようして撮影した写真を専用のソフトで解析すると、撮った位置と角度に写真が並びます。
白い四角がそれぞれ撮影した写真になります。
アライメント(写真を配列すること)された写真を見ると、どのように撮影したのか軌跡を知ることができます。
◆3種の技法を組み合わせて3Dデータを生成
下からはレーザースキャナとフォトグラメトリによる計測、上空からはドローンによる計測を組み合わせてモデルを生成します。
建物は建設の際に寸法や仕様が変更になることも多く、図面から変更になっている箇所も多くあります。そのため、建物の姿を正確に保存するためには実測に伴う記録が欠かせません。
3Dデジタルアーカイブプロジェクトでは、カプセル内部や共用部だけでなく、記録に残りづらい地下室や塔屋までも計測を行い、失われてしまう建物の姿を後世に伝えていくために、隅々までデータを残していきたいと考えております。
クラウドファンディングの目標金額達成後は、3次元点群データをオープンソースとしてウェブサイトで無償で公開し、学術研究や新たな創作活動へ繋がる機会を創出します。
無事に目標達成しましたら、皆さんで中銀カプセルタワーの頂きからの風景を楽しみましょう。
最終日の8月9日(火)23:59まで、あと3日!
一人でも多くの方に知っていただけるように努力してまいります。
皆様も、今一度、プロジェクトの拡散と応援を何卒よろしくお願い申し上げます。
3D Digital Archive Projectチーム一同