【応援メッセージ】草野和美さん(主婦)
vol. 40 2019-02-20 0
いわき市より東京へ
ご家族で自主避難されている
お母さんより応援メッセージ頂きました。
ありがとうございます
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明後日には家に帰る・・
そう思って福島を離れてから8年
私たちは今も、東京にいます
8年前の春
夫が、震える手で牛乳を捨てるのを見た日を境に
世界が変わっていきました
牛乳、小魚、葉物野菜・・
体に良いものが、体に悪いものとなり
キノコ、ワラビ、コシアブラ・・
探し見つける喜びが、悲しみに変わりました
子どもが野山で元気よく遊ぶことが
体に悪いことになって
誠実だと信じていた科学者たちが
堂々と嘘をつくことを知り、膝が震えました
堆肥や腐葉土を使った有機栽培は汚染しやすく
化成肥料たっぷりの野菜の方が安全なのだそうです
当たり前だったことが、こんなにも、当たり前でなくなったのに
それでも世の中は、まるで何事もなかったように動いていくのです
だから、あの日からずっと
止まったら呼吸ができなくなる魚の様に
ただただ走り続けてきました
とめどなく悲しくて
一方では、逃げた自分を責めながら
いつも心の中で、誰かに、何かに、謝り続けながら・・
でも、ふと横を見たら
同じように走っている人たちがいました
泣いたり怒ったり、叫んだり笑ったりしながら
走る魚たちの群れは、ひどく個性的で、騒がしくて
不思議と体が温まりました
もやい展
感じ方がひとりひとり異なるように
表現の仕方もさまざまだけど
あらゆる感性を総動員して語られる
悲しみ、怒り、絶望、そして希望
3,11でバラバラになったもの、砕け散ったもの
剥ぎ取られたもの、棄て去られたもの
そこにあった命、想い
絆とか復興とか、そんな作り物の美談ではなく
美しいものと、いびつなものが混然としたまま
ひとつのもやい綱に結ばれていく様は
たぶん、命そのものなのだと思うのです
私もまた、今も生かされ、生き続ける苦しみの中で
もがきながら、一方では若い命に、目を奪われながら
そんな混然とした今を生きる私もまた
既に、これらの作品の一部だと思っています
もやい展 応援しています
いわきから子ども達と共に東京に避難 草野和美
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「もやい」それは、荒縄の強固な結び。3.11から8年、福島原発事故と向き合ってきたアーチスト達の個々の表現が金沢21世紀美術館で結ばれます。絵画、彫刻、写真、生花、造形、詩歌……福島の現実と命の輝きがあなたを包みます。
一人でも多くの方にこのプロジェクトを知っていただくために、引き続きのご支援・そして周りの方への拡散を、何卒よろしくお願いいたします。
https://motion-gallery.net/projects/2019moyai_kanazawa
★もやい展スケジュール★
場所:金沢21世紀美術館 ギャラリーA(石川県金沢市広坂)https://www.kanazawa21.jp/
日時:2019年3月5日(火)〜10日(日)
5−7日/10時~18時 8−9日/10時〜20時 10日/10時〜17時
入場料:100円(各種免除規定あり)