【応援メッセージ】作家・渡辺一枝さん
vol. 7 2019-01-02 0
30年以上前から頻繁に通ったチベットで見て感じたこと。
「力の弱い側がいつも理不尽や不条理にさらされる」
それは今の福島の問題にもつながると、現地の人の話を伺いに頻繁に福島県に通う作家・エッセイストの渡辺一枝さん。
そこで取材されたことはメールマガジン「一枝通信」としてたくさんの方に配信されています。
また福島の人々の生の声を聞くイベント「トークの会」を東京・神楽坂で定期的に行い、被災地域と東京のつながりを対話という形で実現されておられます。
一枝さんは2017年の練馬・もやい展にもおこしくださいました。
「いろんな作品が集まるとより力が出てきますね!」
とおっしゃられた一言が今回のもやい展・金沢の原動力になっていることは間違いありません。
ちなみに渡辺一枝さんのご主人は作家の椎名誠さん。お二人ともマガジン9の発起人。ご夫婦揃って人間にとっての本当の未来の世界を模索しつつ発信をされておられます。
一枝さん、応援メッセージありがとうございました。
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「私も糸を紡ごう」
あの日、結ばれていたものが断ち切られてしまった。
解かれたのなら、結び直せばいいのだろうが…
だが、一瞬に断ち切られてしまったのだ。
ズタズタに砕けるように散った綱が、大地に海にばらまかれた。
その荒涼とした有様を前に私は、悔恨と憤りと哀しみを抱いて立ち尽くすしかなかった。
けれどもやがて、どこからか物音が聞こえてきたのだ。
遠い昔に聞いたことのあるかすかな音。
掌に細い紐を挟んで撚り合せる時の、繊維が発する音。
その音に導かれて行った先には、綱を綯う人がいた。
挨拶をすると、遠いまなざしで会釈が返った。
次に彼に会った時、そこには彼の仲間がいた。
同じように遠いまなざしを持った人たちだった。
彼らは綱を綯っていた。
また姿は見えなかったが、どこかに糸を紡ぎ縒っている人たちもいるらしい。
ある日、彼から便りが届いた。仲間が増えて14人になったと。
14人が綯う綱で、大きな結びが作られるのだろう。
いや、綱の結びが大きいばかりではない。
解けてもまた結び直せる、断ち切られることのない強い綱なのだ。
それが、『もやい展 金沢21世紀美術館』
それなら、なおなおたくさんの糸が必要ではないか。
私も糸を紡ぐ一人になろう。
クラウドファンディング、応援しています! 渡辺一枝
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「もやい」それは、荒縄の強固な結び。3.11から8年、福島原発事故と向き合ってきたアーチスト達の個々の表現が金沢21世紀美術館で結ばれます。絵画、彫刻、写真、生花、造形、詩歌……福島の現実と命の輝きがあなたを包みます。
引き続き、シェア・ご支援のほどよろしくお願い致します!
https://motion-gallery.net/projects/2019moyai_kanazawa
★もやい展スケジュール★
場所:金沢21世紀美術館 ギャラリーA(石川県金沢市広坂)https://www.kanazawa21.jp/
日時:2019年3月5日(火)〜10日(日)
5−7日/10時~18時 8−9日/10時〜20時 10日/10時〜17時
入場料:100円(各種免除規定あり)