腕一本!
vol. 23 2025-11-25 0
大斎原へ渡る橋のたもとのイチョウ
シングルマザーになってから、子供達との生活を支えていたのは洋裁の仕事です。
短大で洋裁の基本を学びましたが、バブル真っ盛りで金融機関に就職。
趣味程度に続けていたけれど、子供を授かってから再燃。
学生時代からのお気に入りの店に行き、作りたい物に合わせ布地や材料を考える。
最高に楽しい時間でした。
ある日、レジ脇の張り紙が目に入りました。「オーダー縫製者募集」
長年大好きなお店だったので「これだ!」
と、思いその場で店員さんに問合せ応募。(娘4歳幼稚園児、息子1歳自宅保育)
「試しにこれを縫ってきて」
と、子供服のサンプルを渡されました。製図、生地、糸のみ。
パターンを作り、裁ち合わせ、裁断、縫製…それらは全て自分で考え仕上げます。
裁断ミスは、生地の買い直し。縫製ミス、オーダーの寸法違いは、納期までに納品し直し。
サンプルを渡された時に聞かれたのは「どこで洋裁を勉強したか」
履歴書も面接も無く、技術を試されただけ。
仕上げた服を納めに行くと…
「これから少しずつ仕事を出すので仕上げてきて欲しい」
と…採用決定!
それから寝る間を割いて仕事をし、子供達の長期休暇には恒例のCampやFESに参戦。
学校の役員活動も、息子が20歳で高専を卒業するまで、ほぼ毎年続けてきました。
全てにおいて、とても濃い時間を過ごしてきました。
足かけ20年近く、この腕一本で仕事を受けてきました。
技術があっても、それが生活を支える収入に繋がるとは限らない。
私の無鉄砲な行動力も、時にはものすごいパワーを発揮します。
そして、自分の手で物を作り上げる「手しごと」が私は大好きです。
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