撮影終了!②(主演・川野邉修一さんからのメッセージ★)
vol. 6 2024-10-13 0
こんにちは!西崎です。
『よそ者の会』で主演を務めてくださった川野邉修一さんから、みなさまへのメッセージをお預かりしました!
川野邉さんが俳優として参加された視点から『よそ者の会』について書かれており、作品をより深く知ることができる内容となっています。
とても素敵な文章なので、ぜひご一読ください!
(以下、川野邉さんからのメッセージです)
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クラウドファンディングのご支援ありがとうございました。
お陰様で無事に滞りなく撮影が終了しました。
豊かな環境での撮影でした。本当にありがとうございます。
さて、今回は自分が本作に出演するきっかけや
撮影中のエピソードなどお話しできたらなと思っています。
長いかもしれないので、ぜひお時間ある際に、
コーヒーとかお酒を飲みながらふらっとお読みいただけたら嬉しいです。
〜「鈴木槙生」というキャラクターと出会って〜
僕は川野邉修一といいます。
本作『よそ者の会』では、主演の「鈴木槙生」役を演じさせていただきました。
僕は映画美学校フィクションコース16期(2013年)、そして、アクターズコース10期(2022年)の卒業生で、まあ、気づけば映画美学校ズブズブな感じです。
自分で映画を制作したりもしていて、監督作に、短編映画『凪』(2017年)、
長編映画『ボクらのホームパーティー』(2023年)があります。
『ボクらのホームパーティー』はU-NEXTで配信中なのでよかったら見てみてください。
(宣伝すみません。。。)
本作『よそ者の会』は、昨年2023年にも撮影を行い、パイロット版が完成していますが、今回2024年に映画美学校高等科フィクションコースの修了作品として、
再度映画の制作がスタートしました。
去年のパイロット版よりパワーアップするべく、クラウドファンディングを行い、
今回は制作を行なっています。
★出演のきっかけ★
本作の西崎羽美監督(以下、ハミちゃん)は同じ映画美学校の後輩にあたり、
アクターズコースを受講している際に出会いました。
もうかれこれ3年くらいの付き合いになります。
アクターズコースに通っている際に、授業の一環でハミちゃんが監督した短編映画『しどろもどろ』を観て、
「めちゃくちゃおもしろい映画を作る監督がいる!」と思っていました。
その後感想を彼女に話している中で、作品に出てほしいとオファーがあり、
『よそ者の会』以前に、彼女の監督作品に過去出演したことがあります。
その作品は完成できなかったようで、「長らくハミちゃんが映画を作らないなあ」と思っている中、本作の出演依頼がありました。
しかも主演で!
とても嬉しかったし、なんといっても才能を持った監督が
映画を再び撮る気になってくれたこと自体嬉しかったです。
そして、シナリオがとても面白く、「これは絶対に出演したい」
「鈴木槙生という役を自分が何がなんでも演じたい」と
強く思ったことを今でも鮮明に覚えています。
★鈴木槙生というキャラクターと出会って★
槙生は大学卒業後に、就職もせず、大学の清掃員として働いています。
そして、ひっそりと爆弾を作っている。
卒業後も学生時代も特に友達がいなくて社会から孤立した存在で、
それでもその孤独すら特に気にしない人だと思います。
ただ、生きづらさは感じていて、その憤りや不安の矛先が爆弾作りへと向かっていきます。
実は僕も大学時代は友達がほぼいなくて(実際3人くらい)、大学3年時に、
一年休学して映画美学校フィクションコースに通ったこともあり、
復学後は数少ない友人も進級して、同級生に誰一人友達がいませんでした。
復学後は映画美学校での撮影や現場の楽しい思い出が自分を苦しめ、
「この前まで映画を作っていて、今は大学でそこまで興味のない勉強を続けていて、自分は一体何者なんだろう・・・」とトイレで一人涙したこともありました。
多分自分の居場所がどこなのかわからずに常に何かを模索していたんだと思います。
その”ここにいていいのだろうか”という感情は大学卒業後も続いて、
そのエネルギーは僕の場合は、”映画を作ること・出演すること”という矛先に向かったんだと思います。
気づいたら社会の枠組みにはまっていて、”今自分はどこにいるんだろう”と悟ってしまう気持ちは自分だけじゃなくてもしかしたら誰しもが感じていて、
そういう感情に気づかせてくれる槙生を演じたいと思いました。
★撮影について★
自分と近しい接点がある分、”槙生と向き合うこと”は
”自分と向き合うこと”ということなのだと撮影が進むにつれて感じるようになりました。
彼の孤独感や社会への憤りは自分の感情の中にもありました。
彼がどういう考えや感情を持っているか分析しながら演じていきましたが、
結局、”鈴木槙生”というキャラクターを掴むことが難しかったです。
”槙生だったらどうする?”、”これはやらないんじゃないか”ということを
現場で監督とも話し合いながら演じていきました。
でも、槙生の考えや感情の”わからなさ”が本作では大事だと思っていて、
観客の方にもその”わからなさ”を探ってもらいながら映画を見てもらえたら面白いんじゃないかなと思い、”わからない”という部分を残す形で槙生を演じてました。
(わからない、わからないと言ってきてもう自分でも何言ってるのかわからなくなってきましたが・・・)
撮影時は周りにキャスト・スタッフがいて、とても楽しかったです。
キャストとして呼ばれた身なので、自分の居場所を作ってもらえている。
一緒にいるとなんだか孤独感が薄れる。
「ああ、自分はここにいていいんだな。嬉しい。」とかのんきに思っている間に、
あっという間に撮影は全て終わり、「オールアップおめでとうございます」と祝福されつつ、現場はすぐ撤収準備に入り始めている。
(撮影現場は大体そんな感じで終わることが多い)
撮影が名残惜しいなあと思いつつ、みんな撤収準備に入っている中、撮影現場に居続けてしまい、何度もスタッフに「お疲れ様でした」と声をかけられる。
「ああ、自分はまたよそ者に戻るのだな・・・」と寂しく感じ、
「永遠に撮影が続けばいいのに」「永遠に”よそ者の会”が続けばいいのに」
そんなことを帰り道に思ってました。
たまに撮影のことを思い出すと寂しく感じ、
また来年も『よそ者の会』を撮ってほしいと思っていることは
こっそりとこの場で留めておくことにします。
★これから★
撮影が終わった後、スタッフチームでは編集作業が続きます。
今絶賛編集中なんじゃないかなと思います。
完成が楽しみだし、自分が演じた槙生やよそ者の会のメンバーがどういう形でスクリーンに現れるのかとても楽しみ。
映画祭や劇場公開されたら観客の方からどういう反応が返ってくるのかも楽しみ。
自分は前と変わらない日常生活に戻っていくけれど、この『よそ者の会』という作品が生み出されることを楽しみに待って、よそ者の会のキャスト・スタッフとまたどこかで会えるのを楽しみに待って、観客の皆さんとも会えるのも楽しみに待って、この作品が完成されることを願っています。
読んでいただきありがとうございました。
それじゃ!