北アルプス 烏帽子小屋の皆様からのメッセージを紹介します。
vol. 28 2020-07-15 0
烏帽子小屋は、烏帽子岳(2628m)山頂まで約40分のところにあり、裏銀座縦走コース起点となっている山小屋です。
本基金の分配先にもなっている烏帽子小屋のHPでは、本基金で支援いただいたみなさまへ向けてのメッセージが掲載されておりました。
今回は、そのメッセージをこちらでご紹介いたします。
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山小屋エイド基金について
この度、山と渓谷社様による『山小屋エイド基金』のCFにご賛同され、貴重なご寄付をいただきました皆様方にこの場を借りまして厚く御礼申し上げます。
現在、コロナウイルス感染による経済活動並びに観光の自粛などによる収入の激減。また先行きが不透明で今後、経営をどのように行っていくかは山小屋に限らず、ほとんどの業種で何らかの影響を受けているかと思います。
山小屋の経営は『コロナと共に』という考え方で、ガイドラインに沿って営業したとしても下界とは違い、インフラや救助体制も整わない場所という事もあり心配事が尽きません。完全休業したら収入が絶たれ来年の仕入れやヘリコプターの荷上げの費用もままならない状況です。登山道の補修整備に関しては最近、頻発している大型台風の襲来、ゲリラ豪雨による倒木や崩落が著しいため、人力による多大な労力と費用もかかります。また、環境配慮型トイレへの改善問題、小屋や設備の老朽化など問題山積であり、今までの営業方法では限界がきているのかもしれません。
今回のエイド基金に賛同された皆様方のご寄付が予想額を遥かに超え、正直、驚いています。それは金銭的な面だけでなく、コロナに負けず頑張っていこうという私共への大きな精神的な支えになりました。『コロナと共に』という指針も時間と共に風化しやすく、自分だけは(また自分の小屋だけは)大丈夫だろうと考えてしまいがちですが気を緩める事なく営業していきたいと考えております。いち早く、コロナウイルス感染が終息して通常通りの生活が戻る事を祈っております。
烏帽子小屋 山小屋スタッフ一同より
※烏帽子岳小屋HPより転載
http://home.384.jp/eboshi2628vera/eido.html
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烏帽子小屋のキャンプ指定地となっているひょうたん池。後ろは左から餓鬼岳、燕岳、ぎりぎり右端に大天井岳
北アルプスきっての名コース「裏銀座」。
槍ヶ岳に向かう縦走路として、燕岳から東鎌尾根を経て槍ヶ岳へ目指す「表銀座」に対し、「裏銀座」は烏帽子岳から双六岳、西鎌尾根を経て槍ヶ岳へ目指すコースです。
距離が長く、長大な稜線歩きをどっぷり楽しめる雲上のロングトレイルコースです。
その初日の宿泊地としてよく利用されているのが、烏帽子小屋。
起点の高瀬ダムから、北アルプス三大急登のひとつと言われるブナ立尾根を登り、烏帽子小屋を経て烏帽子岳山頂を目指します。山頂への稜線では、ハイマツと花崗岩、白砂のコントラストが美しく、足元には可憐なコマクサが咲いています。
まさに「烏帽子」を思わせる独特な岩塔の山頂からは、剱・立山連峰や薬師岳などの素晴らしい眺めが広がっています。
烏帽子小屋から、独特なとんがり頭の烏帽子岳を往復
烏帽子岳から裏銀座縦走路方面を見る。正面に三ツ岳と、右奥は水晶岳
ブナ立尾根は急峻。登山道がよく整備されていてありがたい限り
写真=山田慎一郎
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山小屋の方からのメッセージ、また届きましたらお知らせいたします!
新型コロナウイルス感染予防対策の影響で、山小屋でも臨時休業、夏季営業開始予定に変更が出ています。
弊社運営のウェブサイトヤマケイオンラインでは、山小屋(一部)の営業状況についてまとめているページがありますので参考ください(現時点では7月13日更新分が公開されています)。
更新は随時行なっていますが、計画の際には、必ず山小屋のホームページなどでも最新情報を入手するようにしてください。
路線バス、ロープウェイなど交通機関の運休についてもここでまとめています。
ヤマケイオンライン 全国の山小屋の営業情報&交通機関の運休情報【7月13日更新】
→ https://www.yamakei-online.com/journal/detail.php?id=5746
引き続き、よろしくお願いします。
山小屋エイド基金運営事務局
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