現地駐在員の声:僕がここにいる理由
vol. 2 2015-12-17 0
この連載では、カンボジアのひとりでも多くの子どもたちに映画を届けるために、大学を休学し現地で奮闘している副代表フライパンの声をお届けします。
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今、カンボジアでこんなことやっています。
CATiCで副代表をしております、フライパンこと山下龍彦です。
まず初めに、今回のクラウドファンディングにてご支援してくださっている方、本当にありがとうございます。
皆さまのご支援のおかげで、私たちはカンボジアの子どもたちに映画を届けることができています。
私はいま、カンボジアで生活しています。(現在一時帰国中です)
日本を出発してから、あっという間に3ヶ月が経とうとしています。
現在、今までCATiCが3年間継続して行ってきた移動映画館を農村部に作る活動を、カンボジア人に技術を教え、最終的にはカンボジア人だけで映画を定期的に子どもたちに届けられる環境を作るために、日々カンボジア人と共に生活をしながら奮闘しています。
あっという間の3ヶ月でしたが、最初は上映機材の使い方を知らなかったカンボジア人スタッフが、カンボジア人だけで上映準備をできるようになり、今ではカンボジア人だけでの上映ができるようになりました。
しかし、カンボジアという異国の地で文化の違うカンボジア人と行っていると全てがうまくいくわけではありません。というより、ほとんどのことが自分の常識どおりには進みません。当たり前のこととわかってはいるけど、なかなかそのことを自分の中で消化することはとても難しいです。時間通りに行くことは当たり前のようにありません。30分遅刻ならまだいい方です。スケジュールも建てたはいいものの、すぐに彼らの都合で崩壊します。でもそんなときに怒っても仕方ない。遅刻するなら、遅刻を加味して時間設定をしたらいいし、スケジュール通り行かないなら、スケジュールをたてた時にカンボジア人にメリットを伝えたり、1日のうちに何度も確認をしたりすればいい。
何事にも、ポジティブな視点を持つことの大切さを学んだ気がしています。
しかし、カンボジア人と本気で向き合っていると彼らの態度も変わってきました。遅刻が20分になり、15分になり……(それでも遅刻しますが。)
カンボジア人に何度も、僕らがなぜカンボジアで映画を上映しているのかを伝え続けたことによって、上映前の子どもたちへの挨拶、上映後の報告の仕方を覚え、時には彼らから改善案を提示してくるようになりました。
僕がカンボジアに来たのには、こんな想いがあります。
「カンボジアのより多くの子どもたちに映画に触れる機会を作りたい。」
そのことを考えた時、1年大学を休学し、カンボジアでカンボジア人とともにカンボジアの子どもたちに映画を届けることに本気で取り組む選択に迷いはありませんでした。
CATiCという団体ができてから3年が経ち、今までは日本から年に数回カンボジアへ渡航し上映会を開催し、約2000人以上の子どもたちに映画を届けてきましたが、カンボジアの人口の約40%を占める子どもたちのことを考えた時、この2000人という数はまだまだ少なく、また、こうしている間に子どもたちは日々成長しています。より多くのカンボジアの子どもたちに、継続的に映画を届けるためには、メンバーが駐在することは不可欠であり、そして最終的にはカンボジア人スタッフという存在が不可欠になると考えています。
自分の駐在は、カンボジア人スタッフがカンボジア現地で子どもたちに継続的に映画を届けられる環境を作ることがゴールです。
そして、より多くのカンボジアの子どもたちに映画を届けられたら、カンボジアの子どもたちが映画を観て、少しでも夢を持つことの大切さ、そして未来を切り開くきっかけを感じてくれたらと思っています。
東南アジアの中でも後発国と言われるカンボジアが、将来もっともっとカンボジアらしさを保持しながら、魅力的な国になると、そう信じて活動しています。