スウェーデン大使館 後援決定!人間の深層や不条理を描く、3本のスウェーデン映画
vol. 4 2019-05-15 0
WAT 2019 女性監督ドキュメンタリー・アニメーション <ヴィジュアルに、発信する女性たち>がスウェーデン大使館に後援していただくことが決定しました。
スウェーデンのドキュメンタリー・アニメーションは、2組の監督の3本を上映します。
オーサ・サンゼーン監督の『まだ生きている』と『彼岸』、ハンナ・ヘイルボーン監督&ダーヴィッド・アロノヴィッチ監督の『生き残る、チャプター1』です。
サンゼーン監督は自らの体験を元に取材を重ね、出産直前に堕胎せざるを得なかった母親と臨死体験をした人々をアニメーションにして、心理の奥深いヒダを表現しています。監督の映画から、実写では描き難いもの・ことを伝えるアニメーションの力を感じます。
<ヴィジュアルに、発信する女性たち>では日本の『Birth-つむぐいのち』と『Birth-おどるいのち』も上映します。
「Birth」シリーズは出産という大役を果たした女性たちの出産の苦しみ(痛さ)と至極の喜び、家族たちの対応を描く6話のオムニバスです。『まだ生きている』とは対極の映画ですが、人類の発生から脈々と続く”いのち”の連鎖には国境も民族や文化の違いもないことを感じ、セレクションしました。
臨死体験を描く『彼岸(英題 The Second Shore』では、日本人に馴染み深い”三途の川”を連想します。監督に佛教にも似た考えや民間伝承があることを伝えると、驚いていました。詳しく知りたいとのことで、英語の資料を当たって見なければ!
ヘイルボーン監督&アロノヴィッチ監督はヨーロッパのアニメーション界で知らない人がいない、ドキュメンタリー・アニメーションの先駆者たちです。新作『生き残る、チャプター1』で、英国の移民拘留センターに4年以上も拘留される違法滞在者のインタビューにも係わらず、キャラクターを一切登場させず、白と黒の線と点を組み合わせ、日本人アニメーション作家 古国府薫さんの抽象的なアニメーションで、人間同士の不条理さを表現した意欲作です。
WAT 2019で日本上映したいという提案に、「生き残る」の長編映画化を進めている最中の両監督は快く応じてくれました。
と、同時に「日本で自分たちの映画、自分たちのアピールを伝えたい」と強く希望されています。
WAT 2019には両監督を日本に招く予算がないので、人権や移民の問題を追及する団体などと連携したいとパートナーを探し始めています。