イベント上映終幕、その先へ 監督・上田
vol. 42 2017-11-21 0
監督の上田です。
「カメラを止めるな!」ワールドプレミアとなる6日間限定イベント上映、連日満員御礼で幕をおろしました。お越し頂きました皆さま、ありがとうございました。
全6回の上映中5回が満席、残り1回もほぼ満席。後半3回は午前中にチケットがソールドアウトするという異例の事態となりました。
最終日の朝、劇場に様子を観に行ったのですが、オープン前にも関わらず寒い中で20人以上のお客さんが並んでいました。3階から作られたその列は1階にまで届こうとしていました。…胸がざわざわしました。その光景はきっと生涯忘れることがないと思います。
お客さんから受ける熱量も今まで体験したことがないほど熱いものでした。多くのお客さんが「もっと沢山の人に観てもらいたい!」と仰ってくださいました。ロビーで号泣しながら感想を伝えてくれたお客さんもいました。
早くもリピーターの方が続出し、今回だけで2回、3回観て頂いた方も。最高で6回観られた(つまりは全回観賞!)のお客さんもおられました!
全6回の上映でまだ500人程の方しかご覧頂けていない状況にも関わらず、Twitter上には100件以上の感想があがっています。想像を超える大反響に僕の薄い胸板の奥は今もざわざわしています。
映画「カメラを止めるな!」感想まとめ
https://togetter.com/li/1169144
上映中、お客さんの反応に聞き耳を立てるキャスト達の図。
お客さんの生の反応を感じたくて、自分も全6回の上映、全てお客さんと一緒に映画を観ました。
映画とお客さんの笑い声が混じり合うのを目の当たりにして、はじめて「映画が完成した」と思いました。
映画は、劇場でお客さんに触れて初めて完成するもの。映画とお客さんが混じり合ってはじめて映画になるのだ、ということを改めて感じました。
上映後のアフタートークイベントでは、自分のMYヒーローである映画監督の方々とトークをさせて頂きました。今泉力哉監督、市井昌秀監督、本広克行監督…御三方の映画は自分の血肉になっています。本作にも御三方の影響がしっかり刻まれているのです。
自分が影響を受けているMYヒーロー達と対峙し、話すのは極めて緊張しました。後で写真を観て笑いましたが、自分は終始、異様なほどに背筋が伸びていました。
トークは舞台上の20分で足りるはずはなく、皆さま打ち上げにもお付き合い頂き、延長線でもたっぷり語り合わせて頂きました。今でも一瞬「あれは夢じゃなかったんだよね?」と、時々写真を見返したりしています 笑。
連日の満員御礼。
この結果はお客さんがお客さんを呼んでくれて拡がったという事ももちろんありますが、まずは、自分が、そしてキャスト・スタッフみんながこの作品を強く信じていたからだと思います。
みんなが胸を張って「面白いんで観に来てください!」と声をあげてくれたからだと思います。
それは本当に本当に本当に、幸せなことです。
本作は台本に合わせてキャスティングした映画ではなく、このワークショップ映画に志願してくれた俳優達に当て書きをして産まれた映画です。最終日の舞台挨拶でキャストからサプライズで貰った50本の赤いバラ。花言葉を調べたら「偶然の出会い」「永遠」でした。泣く。
この映画に映っているのはフィクションの登場人物たちであり、生の自分たち自身でもあります。本作は映画の大嘘に満ちたフィクションであると共に、届くかどうかわからぬ挑戦に挑んだ、僕たち自身の闘いのドキュメントでもあります。それが混じり合い一本の映画になっています。自分で言うのもアレですが、本当に奇跡のような作品ができたなと、改めて思っています。
連日の満席続きで、今回の上映でご覧頂けなかった方が沢山おられます。
本作はこれから国内外の映画祭や単独公開に向けて始動します。
はじまりの終わりが終わって、さぁこれからです。
この映画とならちょっと遠くまでいける気がしています。
引き続き、応援よろしくお願いします!!
監督 上田慎一郎