アートディレクターから見た「バラバラの言葉たちが、本の形に変わるまで」のこと。
vol. 3 2018-04-04 0
みなさん、こんにちは。つみき設計施工社の河野直です。
このページを3月24日に公開してから10日間。今日までに80名もの方にご支援をいただき、、信じられない気持ちでおります。ありがとうございます。
https://motion-gallery.net/projects/tsumiki_tomoni
この本を作るにあたって、譲れないことが一つありました。今までつみきのほとんどの仕事をパートナーとしてご一緒してきた「なつめ縫製所」の夏目さんに、アートディレクターとしてこの本を製作する一員になってもらうことでした。私たちが本を通して表現したい世界観を作れるのは、夏目さんしかいないと思ったからです。今日は、3年間弱に渡る、私たちのわがままな本づくりに付き添ってくれた夏目さんから、応援メッセージが届きましたので、ここでご紹介したいと思います。
- - - - - 応援メッセージ- - - - -
なつめ縫製所を立ち上げて5年、創業以来つみきの多くのプロジェクトに携わってきました。一度建築をあきらめた私にとって、つみきの「ともにつくる」というビジョンは不思議なほどすっと自分の中に入ってきて、作る人も使う人も同じ目線で同じ歩幅で、暮らしをともに作り続ける大切さを日々彼らのそばで実感しています。
■つみきの本をいっしょにつくろう
3年前、ユウブックスの矢野さんに声をかけていただいて、つみきの本をつくることになりました。つみきのものづくりを間近で見てきた私に、つみきの二人は一緒に本を作ろうと嬉しい依頼をしてくれました。
「人の顔がたくさんでてきて、イラスト満載の、つみきの建築写真集というよりつみきの絵本みたいな、なんかそんな本にしたいねー」というふわふわした思いからはじまったこの本は、イメージはあるもののなかなか具体的な目次が決まらず、本の構成が決まるまで随分時間がかかりました。
それまでに手がけた数々のプロジェクトを振り返ると、当時の想いがどんどんよみがえってきて、どの場面もどの部分も紹介したいことばかり。「ともにつくることで実現できること」ってなんだろう?ともにつくって空間が完成する、それ以上のことを私たちは経験しているはず!私たちが一番伝えたいことは何なのか、それと本として大事な「読みやすさ」や「手に取られやすさ」「わかりやすさ」などは編集長矢野さんと打ち合わせを何度も重ねて、本の骨格を考えていきました。
■つくるって楽しい、そのもう一歩先の、「ともにつくる」
プロジェクトの紹介の他に、つみきがこれまで行ってきたワークショップのノウハウが惜しみなく紹介されています。昔はDIYといえばお父さんの日曜大工くらいの意味だったのが、今では誰もが気軽に挑戦できるコンテンツになりました。自分の住まいを自分の手で作ることはとても楽しいことです。暮らしを描く住まい手、家を設計する設計士、家をつくる職人が、それぞれの思いやアイデアや技術を持ちより、同じ目線でものづくりができたらその喜びはみんなで分かち合えるはず。いままでくっきりと断絶されてきた3者が、同じ場所でともに汗をながしてご飯を食べて、一緒に暮らしを作る場であるワークショップが、もっと身近に、あたりまえになるように、つみきのそんな願いが込められています。
ノウハウのページの挿絵は、現場で作業もこなす力持ちなももちゃんが柔らかいタッチで描いています。内容ぎっしりのノウハウページ、癒しのイラストとともにどうぞご覧ください。
これまでに関わってくださったたくさんの方がこの本には登場します。ひとりひとりにお手紙を書く気持ちで、つみきの二人は執筆しています。表紙や章扉、挿絵など私も挿絵を描かせていただきましたが、今まで見てきたつみきの場面を思い出しながら、誰が見ても「つみきっぽい!」と言っていただけることを目指して、したためました。「人の顔たくさん!絵本みたいなつみきの本」というぼんやりした予想図が、まさに手元にあるような不思議な感覚です。
アートディレクターという大層な役目をいただきましたが、つみきのパートナーとしても、友人としても、同じものづくりを仕事とするものとしても、つみきのファンとしても、暮らしをつくる楽しさが詰まったこの本を、たくさんの方の元へ届けたいと思っています。
なつめ縫製所
夏目奈央子
なつめ縫製所instagram →https://www.instagram.com/naokonatsume/