【役者紹介】高橋あみか
vol. 11 2020-09-06 0
高橋あみか
1999年生まれ、神奈川県出身。
同志社大学第三劇場/ツクネル所属
劇団 朋友の夜明け主宰
出演作品
●ツクネル tsukuneru の発表会 vol.1「ミントグリーンの惑星」
●ツクネル tsukuneru やっと第1回本公演「楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜」
●第三劇場新入生歓迎公演「聖塔」
演出作品
●第三劇場7月公演「この闇と光」
●劇団 朋友の夜明け「熱海殺人事件 GOODBYE」
ー演劇をはじめたきっかけはなんですか?
高校卒業して大学生になる前、紀伊国屋ホールで、つかこうへいの『熱海殺人事件』を岡村俊一さんが演出されてるのを見て、なんだこれは、となりまして。これはぜひやりたいと言うことで大学の演劇サークルに入ったのがきっかけです。でも、まだ始めてちょうど2年かな、なのでひよっこです笑
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ーサークルで演劇に触れてみてどうでしたか?
高校では音楽部という部活で合唱やミュージカルをしていたんですが、初めはミュージカルのお芝居との違いに混乱していました。ミュージカルだと、まず感情が大きく動くと歌うか踊るので、演技オンリーで100%の感情表現っていうのがあんまりなかったです。なんか別のジャンルだった気がします。あと、人がすごく多くて一気に舞台上に何10人いたり客席と遠かったりするので、顔変えたくらいじゃ伝わらなくて、自分の体をスピーカーみたいに湧いてきた感情を拡大・拡張して表出していた印象があります。演劇はわりと、湧いてきた感情をそのまま出す感じなので苦戦しました。あー、でも1番キツかったのは、客席みて話しちゃう、いわゆる「ツラぶり」を直すのでした!わりと客席をみて声を飛ばすことが多かったので、すぐ前見ちゃって、よく目みて話して!って言われました笑ですが小劇場の手の届くところで生身の役者が咆哮している雰囲気には驚き、そして素敵だと思いました。
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ー演劇の良さって何ですか?
1番感じるのはお客さんとのコミュニケーション…キャッチボールかなぁって思います。お客さんの共感を誘える、そのなんて言うんでしょう、一般項化できるというか、強いメタ性みたいなのが、演劇の面白いとこだなぁと思います。
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ーあみかさんはなぜ演劇をするのですか?
ちょっと難しいですね〜笑
はっきり、これ、とは言えないのですが、五感を全て駆使して人間に耽溺したいから、という感じでしょうか……人間がすごく好きでして、…いやなんかこういう言い方をするとすごいですね…笑特別な思想の持ち主とかでは全然ないんですけど、この人間が持つ愛とか情熱とかにすごく興味があるんです。親子とか男女とか仲間とかすごくいろんな感情が混じり合っているにも関わらず膨大なエネルギーを持っている、愛とか情熱を目一杯表現したお話や作品が好きで。演劇は生身の人間が生身の人間に直接語りかけるからこそ、観客役者間特有の人間トゥー人間の愛と情熱のやり取りがあるような気がして…それを見てる?見たい?感じたい!みたいな感じです。
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ー役者をやっていて何が楽しいですか?
役者をやるたびにふと思うのは、私の体っていうものが別人の体として人の目に触れるほんとに面白いなぁって思って。なんか見た目とか言葉遣いとかそういうのは意図的に変えたりもできるじゃないですか、でも肉体は変わらないのになぁ…とつくづく思っていて。舞台に立ってる私のその肉体は私のものではなくてその演じられている役のもので。そうゆう変化?みたいなものがすごい楽しいというか、他人の視線と自分の意識とから肉体が変質するのが本当に面白いです。
そして生身の人間が生身の人間に訴えかける…それがあぁ、すごいなぁ面白いことだなぁって。で、しかも違う自分の口から出る言葉とかが自分じゃないものの思考から発されるのが不思議な感覚で。その体験が何かこう…いつか演劇という形でもそうじゃなくても何かしら自分に残って、他人を揺さぶれたらいいなぁ。みたいな気持ちがあって、やっています。
ー今回の公演への意気込みを教えてください
この状況、すごく、不安定で未確定で。なんか、あの、新しい生活様式〜なんて言ってますけど、なんじゃそりゃ、みたいな。まだよくわかんなくて。触らなければいいの?マスクしてればいいの?みたいなかんじなんですけど、それを、よく、いかした表現をしていきたいと思います。不自由になったからこそ気づく、かつて当たり前に与えられていた自由ってほんとにいっぱいあって。えっと、ぎっくり腰になったおじさんも、日常生活でこんなに腰を使ってると思わなかった不便だこれからはもっと腰を労る、っていってました。
いつか「あなた」におっきな声で感謝を叫びながら握手できるまで、かつてそこで私はどうやって何を得ていたのか、生で、触れて、飛沫を飛ばして、何をしていたのか、したがっていたのかをきちんと見つめていきたいと思います。