【役者紹介】山本魚
vol. 13 2020-09-08 0
山本魚
1997年生まれ 京都出身
出演作品劇団ケッペキ『なるべく派手な服を着る』(作・土田英生)『越窓』、劇団そばえ『三人姉妹』『友達』、コトリ会議『晴れがわ』など
ー役者を始めたきっかけはなんでしたか?
大学で雰囲気が自分と合いそうだったので演劇サークルに入りました。
最初、演劇のことはなにがなんだか分からないので配属された衣装をしばらくやっていたんですが、せっかくなら役者もやってみたいということで1回生の冬に出演してみたのがきっかけです。
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ーどんな風に役と向かい合っているんですか?
ピアニストが曲を演奏するとき、ここにアクセントを持ってきて、ここをちょっとスピードを緩めて弾いてみてみたいな、その行為のことを英語でインタープリテーション(翻訳)っていう表現をするんですが、私はその感覚が一番近いなと思います。
他人の言葉や動きをしていてもその人になれるわけではないし、やっぱり自分の身体と声からは逃れられないので、自分だったら、この身体と声とを使ってどういう風に肉付けをしていくかな、という感じです。
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ー役者をやっていて楽しい瞬間はなんですか?
相手がいるということが1番楽しいですね。自分1人だったら絶対ならない状態に相手の発話なり出方なりで自分の状態が変わっていくのが面白いです。それと作っていく段階でも、自分のプランと相手のプランとをすり合わせて、最終的に双方とか他の人とか影響しあいながらシーンできていくっていうのが好きです。自分1人では絶対に出来上がらないものがどんどん生まれてくるっていうのがいいなって思います。それまでは人と関わってなにかするということをあまりしてこなかったんですが、お芝居とかプランとかを作っていく上で、相手のと緊張関係というか自分以外の人と関係を築いていくっていうのが大事だなと思うようになって。必要な自分の意見とかはそれなりに言うようになって相手の話も聞けるようになりました。サークルに入ってだいぶ社会性が叩き直されましたね。
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ーどういう思いで演劇をされていますか?
すごい日常的な側面から言うと人と会わないとすごい閉じてしまって、たぶんいくらでも引き込ってしまう人間なので、そうならないための人との関わりという面があると思います。高校生の時に成績とか数字に還元される私ってなんなんだろう?私の存在ってなんなんだろう?っていう疑問にぶち当たって、そういう疑問や、自分の取り巻く世界と向き合っていくための一手段みたいになってます。演劇ってやっぱなんとなくではできないなと思います。この人はどう思ってるんだろうとか、この人と私は今どんな関係になってるんだろうとか。その中に存在することで、その時に自分が存在しているなって思える瞬間があります。
ー今回の意気込みをお願いします。
コロナで普通に演劇をやるのが難しい中でなにができるのかなっていうのは思います。たぶんですけど、反応を与えてくれる他者が今回そんなにいないと思うので、その中で他者との繋がりの中の自分っていうのをそれでどうやって表現できるのかなっていうのは思いますね。一人芝居だったとしても絶対誰かとは関係あるとか、そういう部分を大事にしたいなと思います。