【作曲家紹介】卜部芳音
vol. 10 2020-09-05 0
卜部芳音(うらべよしね)
1997年生まれ、大阪出身。作曲家。2018年に西井桃子とツクネルを立ち上げ。ツクネルの音楽製作を担当している。
ーもともと音楽をしていたんですか?
ピアノを習い始めたのは多分4歳...?家にピアノがあったので、触ってたのはそれより前からという感じです。中学の部活動でオーケストラ部に入り、弦楽器の音が好きだったので、ヴァイオリンを始めました。もともと楽器を遊びで触るのは好きで、テレビや映画の音楽が好きになると耳コピをして弾いたりしていました。
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ー演劇をはじめたきっかけはなんですか?
もともと舞台を観るのは好きでした。チェリストで作曲家の徳澤青弦さんが作った舞台音楽を聴くようになって、演劇の音響に興味を持ったのがきっかけです。
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ー卜部さんの思う演劇の良さはなんですか?
その瞬間にしか存在しないところだと思います。その時その場所にいた人としか共有できないからこそ、愛おしいと感じます。オーケストラで演奏している時も、本番の演奏会が一番好きでした。一度始まったら幕を下ろせず、何があっても舞台を続けなければいけないという緊張感や高揚感が好きです。
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ー舞台での曲作りで意識することはありますか?
私の場合は、演劇ありきの方がイメージが定まって作りやすいです。脚本を眺めながら、このセリフをこの役者さんが言う時、どんな曲が流れているのか……とイメージしています。劇場で鳴った時にどう聴こえるかも想像しながら作っています。曲のイメージは基本的に演出からもらうので、その言葉は常に頭に置くようにしています。あとはやっぱり、その音楽の前で演じる役者さんの様子を想像しています。
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ー音楽家として演劇をする楽しみ、喜びってなんですか?
色んな人たちと一緒に作品作りをして、一人では見られない景色を見られることだと思います。自分は何かの作品を作るのは好きですが、自ら前に出てどんどん発表できるタイプではないので……。自分だけでは目指せなかった場所に立てている感覚です。曲を作る時はいつも一人で部屋に籠っていますが、自分の曲が劇場で鳴った瞬間に、初めて完成したと感じます。
ー卜部芳音のミニアルバム『ツクネル tsukuneru お披露目パーティのための音楽』はどういうものですか?
2年前のツクネルのお披露目会のために作ったミニアルバムです。この公演では「目玉焼きのある生活」と「ネバーランドの夜」という2作品が上演されていて、そのテーマ曲と挿入曲が3曲収録されています。
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ーこのCDの制作秘話があれば教えてください。
ガッと集中して作った気がします。割といつもそうですが…。特に「ネバーランドの夜」のテーマ曲「ネバーランド」は1日籠って作った記憶があります。今でも気に入っている曲です。
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ーCDのリターンを目に留めてくださった方へメッセージお願いします
観ていない演劇作品の音楽というのは、それだけで手に取りづらいかもしれませんが……。音楽からツクネルの作品の雰囲気が伝わるのではないかと思います。当時観てくださった方には、2年前の夜を思い出せるようなアルバムになっていれば嬉しいです。