出演者の紹介①(奥田)
vol. 3 2023-08-09 0
こんばんわ。
三人之会主宰の奥田です。
今日は三人之会第二回公演に出演してくださる出演者の紹介を行おうと思います。
三人之会とは、「演出家・奥田知叡が生きているうちにどうしても一回は仕事をしたいアーティスト 2 名と組む 3 人組ユニットのこと」ですが、この原則は三人之会に加わっていない出演者・スタッフにも当てはまります。
2020年からのコロナ禍に物価上昇といった社会変動によって、私たちの日常生活は大きな打撃を受けていますが、演劇活動も同じです。
いつまで活動を続けられるか分からない中で、この人と作品をつくらない限り死んでも死に切れないと思う方に声をかけて座組みづくりを行っています。
滝本圭について
さて、今回出演する滝本さんは、三人之会の2022年度メンバーでもあります。
前回のアップデートでもお話ししましたが、私の演劇体験は「リアリズム」重視から「前衛・実験」重視へと、大きな変転を遂げるのですが、滝本さんは「前衛」から「リアリズム」へと、私とは真逆の演劇体験をしてきました。
滝本さんが最初に受けた演技のメソッドは、私も中国で体験した「スズキ・メソッド」と呼ばれるものです。セリフの訓練ではなく身体訓練を目的としたメソッドなのですが、そんなトレーニングを受けた滝本さんが養成所に選んだのは、明晰なセリフ・的確な戯曲分析と感情表現を得意とする文学座付属演劇研究所でした。
「アングラ演劇」と呼ばれる前衛演劇の運動が発生してから、はや60年近く。「リアリズム」「前衛」だけではない様々な理論・技法が産まれています。それに「リアリズム」と「前衛」といっても、二つの陣営に分けても分けきれないほど互いに影響を与えてもいます。
何か特定の演技技法を頑なに奉じるのではなく、その時その時の自分の成長に合わせてトレーニングを積んできた滝本さんのチャレンジ精神と向上心は、私の演出にも大きな影響を与えてきました。
少し長くなってしまったので、残りの出演者は別稿で紹介します。
ここまでお読みいただきありがとうございます。また、クラファンのご支援もいただき、感謝申し上げます。
三人之会 奥田
※キャスト紹介※
滝本圭
1993年生まれ、茨城県出身。文学座附属演劇研究所を経てクリオネ所属。個性派な風貌を持ちながらも、新劇の研究生経験や海外演技テクニックWSより学んだ正統派な演技アプローチを駆使し、舞台や映像で活動している。近年の出演舞台に、二兎社ドラマリーディング『口ごもる人たち』、東京芸術祭『野外劇 ロミオとジュリエット』、水戸芸術館『音楽劇 夜のピクニック』など。三人之会には初回公演『胎内』から続いての参加。