日本とジャマイカを股にかけるラスタ・ウーマンを追った映画『シスター・ジャップ―ラスタを生きる女』制作プロジェクト!!

空港にて

7月20日（水）、出発の日。朝起きると、目がすごく腫れていた。ものもらいのようだ。

8時半、成田集合。成田→ダラス→マイアミ→キングストンと24時間かけてやっと到着。空港の外に出た途端、笑っちゃうぐらいの激しいスコールに見舞われる。ラスタマンのアヤトゥーラ、ケビンが出迎えにきてくれたが、肝心の予約していたレンタカーが現れない。いきなりの洗礼だ。タクシーで一旦、ホテルまで移動。

出発直前に、iYUMiからキングストンで発砲事件があり、注意の喚起がされていると聞いていたが、チナ・スミスのイナデヤードからホテルまでケビンに送ってもらっていたら、十字路の真ん中で停まっている不審な車があった。最初はポリスかと思ったらどうも違うようだ。その車に近付いて脇を通り過ぎようとした瞬間、ガンを持った数人の男が車の陰から飛び出してきた。そこはケビンのとっさの判断で、猛スピードでカーブして車の脇をすり抜けてそのままぶっちぎった。

ホテルの近くで、普段は比較的安全な場所での出来事だった。これで、路上でココナッツや果物を買おうとして車を停めてもらおうとした時に、空港から乗ったタクシーの運転手が撮影にやけにナーバスになっていた意味がわかった。その路上こそ危険な地域で、そんな所でわざわざ目立って無駄なことに巻き込まれることは御免だろうと理解できた。

時差の関係で長かった前途多難の初日だったが、チナが語るボブ・マーレーの話が撮れただけでも、すべてが帳消しになってお釣りがきた。深夜にも関わらず僕たちを受け入れてくれたチナ・スミスはじめすべてのラスタマンに感謝。明日、ホテルに来ることになった例のレンタカーは、果たして今度は来るのだろうか？

中村