応援メッセージ/山岳ランナー・望月将悟さん
vol. 2 2020-10-19 0
ウルトラ山岳ランナーとして、前人未到の記録を数多く残してきた望月将悟さん。
その一方で静岡市の消防署に勤務し、山岳救助隊員としても活動をされています。
そんな望月さんから、team KOIのクラウドファウンディングに応援メッセージをいただきました!
▲北アルプス・室堂にて
柏澄子さんのInstagramで、KOIのポスターを知りました。書いてあることが簡潔でわかりやすくて気に入り、みんなにも紹介したいと思ったんです。八ヶ岳、北アルプスでは掲出が始まっていると聞き、南アルプスにも広められたらな、と。こうしましょう、ああしましょう、と指導する形ではなく、見たひとが自分たちで考えるきっかけになるようなメッセージは、山にぴったりですよね。
コロナ感染が日本で広まり始めた当初は、僕たち消防隊員は、どう体制を整えるとよいのか、模索をしていました。消防署で一人でも感染者が出てクラスターが発生したら動けなくなるし、救急車を走らせることもできない。もし、山へ救助に出ることになったら、どのような対策ができるだろうか……誰も答えがわからないし、地域によっても異なる判断が必要ですから、考え続けなければなりません。
南アルプスの南部、静岡側は、山小屋が早めに休業を決めた分、登山者は山に登っていいのか、いけないのか、自分で判断する必要があります。
登山者はとても少なくなっていますが、時折、大きな荷物を持って、テントを張り、そこを拠点にいろんな山に登っている姿を見かけます。時代が少し戻ったような感覚ですね。
僕も最近になって、山に登るようになりましたが、日帰りが中心です。
その代わりに今年は、故郷の茶畑の刈り取りを手伝ったり、紅茶を作ったりと、例年のシーズン中はできなかったことをやっています。
トレランのレースは地域振興の役割もあるので、少人数で参加者を地元の方だけに制限したりしながら、始まってきています。
でも、僕自身はいま、大会に向けて、という気持ちはあまりないですね。登山をしたり、山のなかで過ごしたりする時間がとても楽しいです。コロナのおかげで、山にはなかなか行けないし、気を遣う必要もあるけれど、その分、ありがたみを感じます。早く走れば水もたくさん消費するけれど、ゆっくり歩けばそんなこともありません。
人間の社会にはいろいろなことがありますが、一歩、山にふみ出せば、花が咲き、川が流れ、風が吹いていて、これまでとまったく変わらない自然があり、新しい季節が訪れます。
これまではレースのことばかり考えて夢中になり、負けたくない、この大会は勝たなきゃと辛くなったことも多かったので、そうではない山の楽しみ方に出会えた、という感じです。
先日、北アルプス・室堂に行ったときも、コロナに気を遣いながら山小屋を開けてくれていたり、山を守ってくれている方々がいらっしゃるからこそ、素敵な景色が見られるんだなと感じました。
春、夏はなかなか山に行けなくって寂しい気持ちがありましたが、秋になって紅葉の山に行けるのは、山が好きで、自然が好きで、山を愛してくれている方々のおかげだと実感しました。そんなことも、皆さんにも知ってもらいたいですね。
望月将悟さんのFBページ →コチラ