ありがとうございました!
vol. 15 2016-04-08 0
観劇、応援してくださった全ての皆様へ
あたたかな応援、ありがとうございました!
観劇には来られなかったけれど、メッセージをくれた方。投資してくださった方、会場で声をかけてくださった方。みんなみんな、本当にありがとうございました!
私の創作活動は、他者ありきで作品を創り上げています。そのため、他者を信頼しなければ成り立ちません。その中に、観客という他者も含まれています。具現化する過程でその他者は変化し、他者はもう他者ではなく、1つになるんですね。という矛盾したことを書きますが、でも、創作をしていると本当にそう思います。
私の創作の根源は、人間の潜在意識に字の通り潜っていくこと。それは、苦しくも痛くもありますけれど、堂々と昇華される瞬間を待っている何かを掴んで戻ってくることは、私に大きな発見と喜びをもたらしてくれます。
今後も、私たちの応援を宜しくお願いします。
私の作品の台本ってどうなっているの?と聞かれるので、今まで公開したことのない台本をここに少しだけですが載せます。メンバーには、読むことができない台本、読んでも分からない台本と呼ばれています。キャストの身体から書き起こしているので、活字だけでは意味がないのです・・・。でも、こんな感じにイメージを固定させていきます。
こちらは、シーン1
1、 入れ替わり
開かれた箪笥の中から1人、人間が出てくるその手には1体のパペット。パペットは死体のように首を垂れている。
舞台の真ん中に静止する。すると、もう1人箪笥から人間が出てくる。その手にはやはり、1体のパペット。パペットはやはり死体のように首を垂れている。舞台の真ん中に止まった先ほどの人間に触り関節を動かす。すると、先ほどの人間は自由になり、後者は静止する。すると、また箪笥から人間次々に現れる人間・・・。うなだれるパペットたち・・・。
人間の関節を動かす・静止する・自由になる
この動きを流れるように繰り返していく途中に、人間がパペットへと変化していく。
それは、夢のような光景である。
大きな渦が巻き、解き放たれるとパペットたちが存在するというような、そんな夢である。
こちらは、シーン8。実際は、佐次のみの台詞に変更しました。今回は珍しく、カチッとイメージを活字にしました。
8、 出会い
人間の皆は、各々、出逢う。手を繋ぎ、心が繋がり、共有した感覚、それを瞬時に言葉にする。
同時多発する出逢い。空間に解き放たれる言葉の響き。美木が、Goneに手を差し出す。
Gone「満月の夜。」
Gone Danceの始まり。ここからの言葉は、美木、佐次の台詞。皆の同時多発の言葉にかぶさっていく2人の言葉とGoneの台詞。美木と佐次の言葉は、ウイスパーで、動きにリンクしている。
美木・佐次「言葉。誤解。夢。一瞬の夢。繋がり。でも、過去の繋がり。
孤独。呼吸。触る。繋がる。手を繋ぐ。寄りかかる。」
Gone「すれ違うくらいならば、言葉なんてなくなってしまえばいいのに・・・。」
美木・佐次「響き。あなたの響き。あなたの身体の中の時間。
触れる。
支える。歩む。呼吸。
続く。
ひたすら続く。
遠い時間。遠い思い。100年。きっと100年。」
Gone「こんなものは、いつか一瞬で終わってしまうのだから。」
美木・佐次「終わらない。触れる。触れたい。
響き。あなたの響き。あなたの身体の時間。
触れる。触れたい。
溢れ出る・・・何か。」
Gone「これは、なに?」
美木・佐次「思い出す。分からない。考える。分からない。
手を 繋ぐ。頬に 触れる。見えない。」
Gone「見えない。でも、何かで繋がっている。」
美木・佐次「掴みたい。掴んでいたい。でも、見えない。」
Gone「見ようとしても見えないもの。」
Gone「これは、なに?」
美木・佐次「触れる。触れたい。いつまでも続くと信じたい。信じてる。
でも、いつかそっと、消えていく・・・・・・・何か。呼吸に触れて、寄りかかる。
触れる。触れたい。いつまでも続くと信じたい。信じてる。
でも、いつかそっと、消えていく・・・・・・・何か。
呼吸に触れて、寄りかかる。」
Goneは、再び箪笥の横に座る。
Gone「すれ違うくらいならば、言葉なんてなくなってしまえばいいのに・・・。」
皆の言葉の響きは、カットアウトされ、静寂が訪れる。
ムッシュー「38歳、恋をする。突然、耳が聞こえなくなる。」
Gone「はっ!」
次回の作品をお楽しみに〜。
感謝を込めて 佐次えりな
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