変わるもの変わらないもの
vol. 19 2021-11-20 0
インターネットで以下の映像を見つけました。
昭和36年の多度祭とのこと。
そして以下が、平成末期の多度祭です。
昭和36年と平成末期で変わったところというと、昭和の映像(40秒あたり〜)では、関係者以外の人たちが馬の坂上げ本番の時に、馬場(馬が走る道)に立ち入っています。古い映像からでも熱気が伝わり、これはこれでおもしろく、祭らしい様子ですが、怪我をする危険があるため今では祭従事者以外の馬場への立ち入りは禁止されています。
変わらないもの。以下、頭に浮かんだことをできるだけそのまま書いたので、文体が不統一だったりしますが、ご容赦ください。
地域の人々のハレの場、日常からの解放の場。それが祭の本質であり、祭を活きたものにする。
祭というものは、それがあってこそで、文化的な価値はその次だと思う。
祭が文化財指定をされて、予算が付いたりするのはいいことだとは思うが、祭は『文化財』になったらいけない。活きていないと…。
少子化や、時代の流れで親が祭に参加させなかったりと、多度祭も決して、続けていくことは簡単ではないと町の人から聞いた。10代の頃、多度祭に参加せず遊び呆けていた私が言うのもなんだが、続いていってほしいと切に願う。
映画『おれらの多度祭』の中でも、もう亡くなってしまったある方が言っている。
「未来永劫、続いてほしい」と。僕は敢えてすっとぼけて「なんでですか?」と質問した。その方は、もどかしいような、苛立ったような様子で答えた。なんと答えたかは、ぜひ映画を観てみてください。
そうして人はまた、日常に戻っていく。だからこそ、日常をしっかりと大切に生きていける。
祭は「人が生きていくこと」の根幹に密接に関わっている。
そこが、多度祭の昔と今とで変わらない部分だろう。
この映画もその一助になればと、祈ってやまない。
2021/11/20
監督 伊藤有紀