伊藤有紀監督の第1作『まちや紳士録』(2013)
vol. 9 2021-10-12 0
伊藤有紀監督の第1作『まちや紳士録』(2013)に寄せられた
皆様のコメントです。
今回のクラウドファンディングで『まちや紳士録』のDVDは
5000円の特典となっております。
この機会に、手に入れられてみてはいかがですか?
2021/10/12
実行委員 寛美
「まちや紳士録」について 安部龍太郎(直木賞作家)
ありがたい映画を作っていただいた。
見ていて泣けてくるのは、八女の人たちの誠実さ、心根のやさしさ、そして受け継いだ技術の確かさが伝わってくるからだ。
その生きざまが町家の再生に象徴的に現れている。
中川敬(ミュージシャン/ソウル・フラワー・ユニオン)
町家保存問題に直面する福岡県八女市福島地区の再生を、住民や棟梁達の奮闘を通して、寧静な筆致で描く。古民家の修理技術を、伝承するようにカメラが舐め回すシーンは圧巻。要所を引き締める、原みどりの旋律もいい。伝統とは人そのものであることを、311以降のジレンマ・ゾーンに立つすべての者に鮮明に訴える。
春風亭一之輔(落語家)
私の学生時代、落研の一つ下に伊藤有紀君が入ってきた。どうやら私がいじめて辞めさせたらしい(笑)。辞めてよかったかもしれない。こういう映画を撮ったのだから。これから長屋噺を演る時は、八女のまち家を頭に描こうか。落語を諦めた伊藤君に噺の稽古をしてもらってる、そんな気分でこの映画を観た。
森まゆみ(作家・編集者)
町並みがこれほど映画の主役になったのは初めてではないだろうか。
若い夫婦が八女の古い町並みにすみ始める。かつて排他的だった町も
いまはそうもいっていられない。若者たちを受け入れ、ともに町をよみがえらせようとする。
雨戸、坪庭、三和土、鴨居、なめくじとまで共存する新しい生き方ここにあり
じわじわと日本の国土にしみわたってほしい佳き作品