日本語字幕について
vol. 13 2015-03-08 0
3月最後の撮影も無事に終わり、編集も順調に進んでいます。
今回の映画、『旅するotto & orabu』改め、『while we kiss the sky』は、ドイツのプロダクションと共同制作で、海外の映画祭参加も視野に入れているため、英語の字幕はもちろんつくのですが、日本語字幕もつきます。聴覚障がいのある方々に映画を見てもらうための字幕です。
その、音声の書き出しの作業をしていると、私たちが日常何気なく交わしている会話がいかに複雑で、環境音がどれだけその場に影響を与えているかなど、改めてか思い知らされます。音が聞こえない世界にいる方々に、どのようにこの映画の音世界を伝えればいいのが、どこまで正確に、または細かくそこにある「音」を文字化すればいいのか、初めてその作業をするものにとっては、なんとも難しい問題です。英語の字幕をつけるのも、文化的背景の違いや、言い回しや話している方本人の癖などありもちろん難しいのですが、それ以上に悩ましいです。
この、障がい者用字幕を作る仕事をされている会社の方に、最終的には映像と基本的な書き起こしのテキストを渡して字幕を作ってもらうことにはなるのですが、最終的にどのような仕上がりになるのか、まだ未経験の私たちにとっては想像しがたいことです。
この障がい者用字幕のついた映画はまださほど多くはなさそうですが、文化庁さんも障がい者用字幕制作のサポートを今年度から始められたので、より多くの映画にこの字幕がつくと良いだろうな、と思いながら、その難しさと合わせて文字起こしをしています。