まち歩きと写真
vol. 30 2020-08-20 0
街を歩いていると、写真に収めたくなる瞬間というものがある。その瞬間が降りてくる条件というのは単純ではない。被写体の姿や形がおかしかったり、稀にしか現れないもの(例えば虹のような)であればよいわけでもなく、その時の気分にも左右される。気分次第とはなんとも素人じみた話ではないかと自分でも思うのだが、その時に感じた体温のようなものがうつる感覚なのだ。金沢の街を歩いて撮る時は、晴天よりも曇り、日中よりも黄昏か早朝がなんとなくおさまりが良い気がしている(個人的な好みだが)。
僕の場合、必然的に被写体は周縁的なものになることが多い。僕の気分がその影のある逞しさに惹かれるからかもしれない。
コロナ禍においてはどうしても全体的な大きな事を意識してしまうが、個人の気持ちに触れるようなエッセーをお届けできたらと思う。
齋藤