監督コメント紹介
vol. 2 2023-04-07 0
監督コメント
23歳の初夏、はじめて草とさおりと一樹のことを考えたあの日から世の中に届けることに意味がある作品だと信じて、自分の20代のすべてを捧げるつもりでこの作品と向き合ってきました。
そして、長い期間ずっと大切にしてきたからこそ、今回クラウドファンディングとして情報解禁する際には、身体が震えるくらいこわかったです。
初めて世の中にこの作品のことを知ってもらう瞬間に、こんな感情になるなんて・・・
自分でも予測できなかった感情に、驚きました。
3年前初めて登場人物の心情構成表を書いてから、永遠にも思える静かな夜の中で、夜明けを目指してひたすらに机に向かい続けてきました。
脚本の内容をまとめたノートや書き直した脚本だけが、何冊も何冊も机の上に積み上がっていくさまは、まだ撮影が本当にできるのかどうかも分からないなかでは苦しい光景でもありました。
時には孤独と不安に押しつぶされそうになりながら、それでも作品と向き合い続けてこれたのは、近くで支えてくれた仲間たちと、「まだ見ぬ誰かにこの映画を届けたい」というその一心です。
時が経ちそんな深い夜の中でひとり腰を曲げて孤独と闘いながら書き続けてきた物語が、沢山の大切にしたい人たちと出会わせてくれました。
そんなキャスト・スタッフ、この映画を応援してくれる方々、そしてまだ見ぬ観客の皆さんといつの日か一緒に朝日を迎えたい。それが私の願いです。
正直この映画を大切に思えば思うほど、まだまだ不安は尽きません。
でも、この映画に自分のすべてを懸けてきました。
「すべてを懸けたい」そう思える作品に出会えた幸せと、だからこその感じたことのない不安と。日々覚悟を持って映画『何をそんなに慎ましく』に向き合い、取り組んでいます。
ただ、ひとつの映画を作ることはとても難しいことです。
正直に言うと、「わたしのすべてでは足りない部分」をどうかみなさんに支えていただきたい。そこに望みをかけたいと、今回クラウドファンディングに踏み切りました。
みなさんの力を借りて、この映画を完全なものにできたら。
大切な映画として、不足なくメッセージを世の中に届けられたら。
映画「何をそんなに慎ましく」がこれからも光に向かって走り続けていけるために、ご支援をどうかお願いいたします。
映画『何をそんなに慎ましく』監督 吉田奈津美