キャストコメント紹介
vol. 1 2023-03-03 0
最初のアップデートでは、記事本文に載せきれなかった、メインキャスト3名の方からのコメントを紹介します。
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■ 主人公・原草(ハラ ソウ)役
野内まる さん
──この作品について
一見、愛についての話と聞いたら恋愛映画を想像すると思いますが、
この作品はヒューマンドラマで、すごく人間味ある内容だなと感じました。
正直、草の感情に入りこむよりも、
草の愛の価値観を私自身が言葉で説明するのはまだ難しいです。
理由は、草がさおり、一樹の3人で過ごして生まれる愛の価値観は、
一つ言葉を間違えるだけで全然捉えられ方が変わってしまいそうなので、
良い意味で深すぎて、あまり安易に説明できないからです。
でも ''言葉だけでは中々伝えられない'' ことってたくさんあるんじゃないかなって思います。
芝居を通して、その ''言葉だけでは中々伝えられない'' 頑固で素直な愛(つながり)を
沢山の方に伝えていけるよう、長い時間をかけて草と向き合っていきたいと思いました。
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山本さん、須藤さんには、1月末に実施したティザービジュアル、特報撮影時に、インタビュー形式でコメントをいただいております。
その全文をご紹介します。
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■ 園田さおり(ソノダ サオリ)役
山本奈衣瑠 さん
── はじめに
園田さおり役の山本奈衣瑠です。よろしくお願いします。
まずこのお話を頂いたのが結構前でしたね。1年くらい。その間何度も進行状況をメールで頂いていたのですが、とてもまめで丁寧な方達だな~って思ったのが最初に持った印象です。
なので実際1年くらいの間は監督とは会ってもないし顔も見てないけど、脚本で会話というか、送られて来るものを読む度に素敵な人なんだろうな、とも感じていて。もちろん実際会った時はそうだよねこの人が作ってるよねって納得いくような、優しくて可愛いらしくて強くて丁寧な人でした。
今日のスチール撮影でスタッフの皆さんとは初めましてでしたが、実際の撮影までまだ時間があるにも関わらず、既にそこにいた全員が脚本を通して共通しあっているものがあるのを感じました。
共通し合いながらも目の前で今生きている空間に対して常に問いを出し合って、ちゃんと疑って確かめ合っている感じが、お芝居をする上でも人に何かを届ける側の人間としてもとても大切な事だと思うので、安心出来る場所があるというのが感じられたのが今日のすごく嬉しかったことです。
── 脚本について
映画に限らず世の中にある表現されている物の中で、最終的に誰かと誰かの愛にまとまる作品って確かに数としては多いなとは思っていて。
一番最上級の特別なものが恋愛だったりとか。
今でこそ女性男性を自認しているように、アセクシャルやノンセクシャルを自認している人の作品が増えてきているけど、何か名前をつけて判別する以前に、そもそも "多様性を認める"とかじゃなくて“多様なのは普通ですよね”っていう当たり前な段階に監督はいる人なんだろうなと思いました。
だから当たり前に疑問が生まれた先がこの脚本だったのかなと。
なので監督が何かに対してハテナを持って言葉を書いていった事はとてもナチュラルな事なんだなと思いました。
ただ当たり前に色んな人がいて、色んなそれぞれのカードみたいなのがあって、それが机の上に並んでいる、っていうそれだけを見つめるということ。
何がどうでどっちが何とかでもなくて、ただその状況があるよね、という美しさ。
── 山本さんの演じる「さおり」について
一見、パートナーとそれ以外の人と同じ家で生活するってどうして?と思われるかもしれないけど、彼女が外の社会で生きている時の上手くいかなさや、欠落している何かを許してくれるのは自分自身でもなく、絵を描く事や 一樹と草ちゃんと過ごす事なんだと思います。
自分にとって大切な2人と居るのが凄く良くて、だからこそ狭間にいることが時に大変だったりもすると思うんですよね。
外の世界から帰って家にたどり着いて、また朝が来て、繰り返しの人生が。その葛藤みたいなのを一緒に考えられたらと思いますね。
── チーム・現場について
とっても良い現場です。何かを作ってそれが人の目に触れるという事は、それが顔も名前も分からない沢山の誰かに届いてしまうということですよね。
映画は特に音でも目でも見られるのでどんな人が見るかとか、どんな人が影響受けるかとか、表現する事に責任を持つことが大事だと思います。吉田監督を始めとするスタッフキャスト共にこの組は同世代が多いのですが、それをすごく分かっている様に感じます。
自分自身もそうですが、世代的に実際にそれを日々感じていた世代なのではとも思います。
それは無難な物だけを選びすぎて見落としている物に気づかない訳ではなく、それぞれが目の前に存在する守りたいもの一つ一つを守って大切にしていくのだ、という気持ちです。
なので絶対に丁寧に、自分の手で温度を感じながら作っていく、という気持ちを感じました。
ここは私個人にとっても安全な場所だと感じられたので撮影がとても楽しみです。
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■ 加藤 一樹(カトウ イツキ)役
須藤蓮 さん
── はじめに
須藤連です。一樹役として出演させていただきます。よろしくお願いします。
作品に価値があるかどうかってすごく難しいなと思いながらずっと仕事をしています。
テーマとか、どのくらい見てもらえるか、そういうものじゃないところに価値があると信じてやっています。
この作品は、監督、ほかのメンバーも含めて今日初めてお会いさせていただいたんですけど、久しぶりに純粋な監督にお会いできてラッキーだったなと思っています。
出演するとなったときには脚本を読んでなくて、企画書をさらっと読ませていただいた段階で監督にお会いしたのですが、そのときの監督の緊張の仕方が自分に似てたんです。作品を大事に思うがあまり、から回ってるっていう言い方はあれですけど、その姿に見覚えがあったんです。それで、いいな、出たいなと思いました。当時は俳優をやりたい気持ちがなかった時期なんですけど、出たいなと思いました。
映画って脚本がすごく大事ですよね。脚本を読ませてもらって、すごいな、これはいい本になるなって思いました。すばらしい作品になるなと。
── チーム・現場について
この作品を本当に形にしたい人がその場にいるかどうかっていうことが大事だと思っています。
そういう人がいる現場では、その人の意味のないようで実は意味のある熱量みたいなものが、周りに伝わって、その人の核にある輝きみたいなものが周りに広がっていって、全員がピュアになっちゃったり、今までできなかった選択ができたりとか。
映画1本だけにとどまらない波及を起こしていくっていうことに、僕は映画っていいなと思います。映画ってみんなが作りあげるものですから。そういう価値がまずあると思っています。
── 監督について
監督にはすごく力量があるのを感じます。才能ある監督の作品に役者として出演できてとてもうれしく思います。色んな意味で価値のある作品だと思います。
まず1つは監督の演出が的確だと思います。キャラクターひとりひとりに対する愛情というか、一見どうでもいいように思えることをどれくらい大事に思えるか、一見人には理解できないような、「それ?」というような周りの情報だったり、完成するまではただのエゴにしか見えないようなことを最後まで守り抜けて。そういったものに強烈なビジョンを感じられる人を信頼しているのですが、監督にはそういったものを感じました。
あとは役者への演出力がすごくあると思います。僕がずっと乗り越えられなかった数個のトラウマというか、苦手意識のあったものを、今日、いくつかやすやすと乗り越えさせてもらった感じがして。現場の空気自体に、役者として今日1日だけでも来てよかったと感じさせてもらえたと思っています。こういうことが起きる現場はいい作品になると決まっているので、本作も絶対いい作品になると思います。
── この作品について
たぶんいろんな語られ方をする映画だろうなって思いますが、単純に言うとキャラクターがすごく魅力的で、その人間関係がすごく面白いというか。誰が見ても楽しめる映画でもあると思います。なるべく多くの人に刺さる作品になってほしいし、実際にそうなると思いますので多くの人に見てほしいです。
僕の意気込みとしては、自分が映画監督として自分の撮りたい作品を完成させてから最初に受けるお仕事で、さらに今年から新しい道をスタートさせようと思っている中で初めて受ける作品です。なので、まだ自分がしたことのないような芝居を監督に引き出してもらえるんだろうと楽しみにしています。お客様にお金を払って見る価値があると感じてもらえる作品にしたいと思っていますし、それができると思っています。
そして僕自身のことでいうと新しいうねりみたいなものが起きてほしいと思いながら活動をしています。映画とかもっと広く文化とか日本とか世界っていう単位で変わり目みたいなものが起きてほしいと強く願っています。そのうねりみたいなものが、こういう形で起きるんじゃないか、こう起こしたいという自分なりの強いはっきりとしたイメージがあるのですが、そういったエネルギーを感じる作品です。
何かそういう流れを作ってくれるんじゃないかなと思いこの作品に参加させていただいています。どうぞよろしくお願いします。
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