東京藝術大学 美術学部教授・写真家・佐藤時啓さんからの応援メッセージ
vol. 5 2017-05-10 0
2015年暮れ、「白ばら」閉店の報と、あの大晦日に開催した感謝祭「愛は白ばらを救う!ラストランだよ全員集合」のお話をお伝えすると、撮影のために東京からとんぼ返りの強行軍で駆けつけてくださった東京藝術大学 美術学部教授・佐藤時啓さんから応援メッセージをいただきました。
中高の先輩でもある時啓さんは、小中高を「白ばら」から50メートル圏内で過ごされたご近所様です。
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「白ばら」は、私の実家の目と鼻の先。幼稚園から小学校入学のころには、山王倶楽部の中庭の池に潜水艦を浮かべて遊んでいた。サロンバッカス経営者の息子と同級生だったこともあり、中で遊び酒瓶を割って叱られたこともある。さすがに「白ばら」の中で遊んだことは無い。いやここは子供にとっては禁断の謎の場所だった。有名歌手来店の看板も良く見た。賑やかなネオン街の代表イメージだった。大学生になり、親戚のおじさんに連れられて赤坂「みかど」に行った。華やかなショーとお姉さんが眩しかった。担任教授の作品が飾られていた。いつの間にか「みかど」も閉店していた。おとなになって再び酒田に戻るようになり、初めて「白ばら」に入った。生前親父も良く来ていたとお姉さんに聞いた。カラオケ空間になっていたが、その適度な空間の拡がりや装飾、この昭和の空間は貴重だと思った。一度無くなれば再生は難しい。ちょっとしたコンサートや演劇、パフォーマンス、上映会など、さまざまな催しに使えるだろう。何よりも台町の古い酒田のエリアの懐かしさを残して欲しい。この空気感は一度失われれば二度と得られないのだ。仁さんのこの動き大きな輪になって欲しい。
佐藤時啓
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