音楽家・文筆家の寺尾紗穂さんに応援コメントをいただきました!
vol. 9 2022-11-16 0
文筆家で音楽家の寺尾紗穂さんに応援コメントをいただきました。
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幸せはどこにある?
白鳥さんは「時間」の中にある、と言った。
アートの意味するものは日々拡張されつつあると思うが
人と人の出会いを作り、意見の交流を促し、互いに感じ合える「時間」を作り出すことは
これからのアートの現場において、より重要な意味を持っていくと確信する。
寺尾紗穂
「図書館近くにありますか?」 寺尾さんとは今年3月、北海道の斜里で行われた演奏会の際に出会いました。僕が地域映画づくりで毎回滞在しているペンション「しれとこくらぶ」にお昼に到着した寺尾さんに挨拶をし、斜里に伝わる「語り継ぐ女の歴史」という開拓時代を生きた女性たちの生活史の話をしました。そのあと、寺尾さんは雪道を一人で図書館に足を運び、その本を探し、その中からある一編の詩を見つけてきました。戻るなりピアノに向かって作曲をはじめた寺尾さん。みるみる音楽が立ち上がってきました。その晩の演奏会で歌った「流した涙の数だけ美しい虹がたつ」がはじまると、客席に居た町の人たちも固唾を飲んで見守り、この歌の間、会場の空気が変わったように感じました。歌い終えると万雷の拍手。音楽を通して寺尾さんと客席の町の人たちが互いに感じ会える「時間」が生まれた瞬間に立ち会ったような気がしました。
(文・三好大輔)