音楽家・七尾旅人さんから応援コメントいただきました!
vol. 3 2022-11-02 0
2枚組の大作『Long Voyage』が好評発売中、音楽家の七尾旅人さんから応援コメントをいただきました。七尾旅人さんは地域の古い8ミリフィルムを集め、取材から編集、音響までを地域の子供たちに体験させ、それを“地域映画”として再編していく三好大輔監督の活動に共感していただき、以前もツイッターでクラウドファンディングの応援をしていただきました。そして今回は白鳥さん。ありがたい限りです。(以下、全文)
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全盲の美術鑑賞者がどんな風にアートを楽しむのか、最初はまったく想像つかなかったけれど、見えないはずの白鳥建二さんを触媒にして、その場を共有する全ての人たちの「観る」という行為が変質し、互いのイメージの重なり合いが無限の作品像を結んでいく様にわくわくさせられた。正解はけして一つじゃない。視力に頼れないことが引き寄せた、あまりにも能動的な鑑賞スタイル。これほどの熱量で何かが観られている光景を、僕は初めて観たかもしれない。皆の心の眼差しをそそがれて、作品たちも嬉しそうに輝いていた。きっと美術評論家なら豊富な知識を元に、コンテクストによって作品の意味を定義づけるだろう。でもそんな見方だけでは、白鳥さんの内奥に、生きた作品が立ち上がっていかないのだ。観るという行為の本質的なシビアさ、面白さ。きっと世界のあらゆるものが、こんな風に暫定的な像を結んでいるに過ぎない。道端でふと見かける小さく美しい無名の花だけでなく、歴史や、国家も。
僕らは今までこの両眼で、いったい何を見て来たんだ?僕らはもっと、見ることが出来たんじゃないのか?真摯に、懸命に、全盲の美術鑑賞者のように。「見る/観る/視る」ことの意味を根底から塗り替えてしまう、刺激的なドキュメンタリーだ。
七尾旅人
映画の深いところまで見つめてくれていることにありがたく思うのと同時に、もっと多くの人にこの映画を届け、“みる”という行為のおもしろさを知ってほしいと改めて感じました。クラウドファンディングも残すところあと20日。皆さま、引き続き応援よろしくお願いいたします。
(文 PIENO)