音遊びの会×シオヤコレクション!!
vol. 27 2021-03-09 0
【シオヤコレクションの支援先のことをぜひみなさんに知っていただきたい!】
今回は、今週末3/13.14に京都国際舞台芸術祭で いとうせいこうさんとの出演を控えている「音遊びの会」の代表、塩屋在住の飯山ゆいさんにお話を伺いました!
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シオコレ-『音遊びの会』という名称をはじめてきく方に向けてご紹介お願いします〜!
飯山-もともとは神戸大学で障害のある人たちへの音楽療法などを研究していた沼田里衣さんの、世の中にまだない取り組みや仕組みとして障害者と即興音楽をする音楽家が一緒に音楽をしたらおもしろいんじゃないか、という妄想から(笑)始まったんです。2005年に始動してプロジェクトを進めるにあたり、即興音楽家として有名な大友良英さんの他、森本アリさん(塩屋|旧グッゲンハイム邸)や江崎將史さん(popo,HOSE)といった地元神戸のミュージシャン、即興音楽を中心に行う音楽療法の療法士の方々にも入っていただいて、神戸大学を拠点にチームで進めていきました。
半年のプロジェクトで終わるはずでしたが、続けたいという声が子どもたちや保護者から上がり、それから15年活動が継続しています!その子どもたちもすっかり大人になり、今でもほとんどがメンバーです。
シオコレ-メンバーは何人ですか?
飯山-最初は障害のあるメンバーは10人ほどでしたが、だんだん増えて今は18人です。ミュージシャンも増えて現在の音遊びの会は総勢50人ぐらい。メンバーには保護者も入っていて、ダンサーなどのパフォーマーもいます。
シオコレ-実際どんな活動をされてますか。
飯山-コロナ禍前は月2回のワークショップと、2〜3ヶ月に1度は公演や公開ワークショップをしていました。自主公演とオファーを受けての公演がありますね。
この1月は、東京公演がコロナ禍の影響で記録映像のオンライン配信になりましたが、3月の京都国際舞台芸術祭はいとうせいこうさんとの出演で、感染対策を講じながら対面での開催すると決まっていています。
【今週末です!!3/13.14】KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021 SPRING
コロナ禍にそこまでしてやらなくてもと思われるかもしれませんが、今までも、障害の特性で飛行機に乗れるかわからない人もいる中、この大所帯でイギリスまで公演に行ったこともあるんです!メンバーのコンディションも日によって様々、コロナがなくても公演を含め活動を続けるのは大変だし、工夫が必要です。
シオコレ-それでもなぜ15年も続けられたと思われますか?
飯山-コロナ禍でその理由が明確になりました。ワークショップをストップしていたのですが、先日しばらくぶりにやったら、それはもう勢いが、熱量がすごかった。
障害のあるメンバーはもともと行ける場所や人と会う機会が限られているのに、コロナの影響でますますどこにも行けない、オンラインを楽しむ方法もわからない。家の中でじっとしている時間が長くなって身体や心を動かすことが激減してしまっている。その中で音遊びの会で仲間と会えたり、音楽が持つ力で日常や人生が潤ったり、フラストレーションを発散できる環境があることがとても大切で、だから誰も辞めないんだと分かりました。そしてこれは実は障害のあるなしに関わらず全てのメンバーに言えることですから、メンバーの健康と安全を守りつつ、形を変えながらでも続けていかなければいけないなと思っています。
3月にNHK(Eテレ)で音遊びの会の特集があるんです。コロナ禍で日常に不自由さを感じる人が増えて、障害者の生活を今までより想像しやすくなっているんじゃないかとも思います。こういった機会に会のそれぞれのメンバーについても知っていただけたら嬉しいです。若い人もいますが年長者はもうすぐ50歳、ということは保護者は80歳ぐらい。これから先、その時々で起こってくる問題はあると思いますが、だからこそ出来ることはどんどんやっていきたいと思ってますね。
シオコレ-障害者と私たちが日常的に交わりがあるということはとても重要だと思っています。色んな人がいることをお互いに知らないことには助けあえないはず。
飯山-障害者とどう関わっていいかわからない、拒否反応があるという人もいるかもしれませんね。それでも社会には当たり前に障害者がいるということを、みなが知るべきだと思います。
音遊びの会はAメンバー(障害あり)とBメンバー(障害なし)とに分かれてるんですけど、Bメンバーでもいろいろ「障害」があるんです(笑)。決して、みんなでワイワイして全員が仲良くてという場ではない。社会と同じです。機嫌の良し悪しもある、その日音楽をやる人もいればやらない人もいる。それでも、やらない人に強要しない。それを個性や社会性と認めて各々が尊重し合うのが音遊びの会で大切にしていることです。
シオコレ-障害者だけで構成されるコミュニティに出かけるだけでは得られない体験ができる、誰にとっても、ものすごく貴重な環境と思います。まだ他に無いので増えてほしいですね。塩屋に住む障害のある人が音遊びの会を知って、町に出るきっかけになったり、町の人が障害者と一緒に今を生きていることについて考える機会になったらいいなあと思います。シオヤコレクションがたくさん支援できるといいですが!実際、経済面はどうですか。
飯山-人数が多いというだけで、維持費や公演費、交通費もかかります。前代表の沼田さんから私が引き継いだタイミングで、大学から独立、自走することになり、今は和田岬のビルの3階フロアをスタジオ兼楽器置き場としてお借りしています。そういった固定費がかかるのも、これまで経験してきませんでした。ほんとは塩屋で借りたいのですが、駅から近くてそこそこの広さがあって、相当な大きな音を出せて、大量の楽器を置きっぱなしにできる、会専用のリーズナブルな場所なんて中々見つからないんです。
あと、年に1〜2回助成金を申請して公演をしていましたが、申請も中々の労力が必要で、いつも金額と天秤にかけてきました。
基本的にミュージシャンは上限つきの交通費のみでワークショップに参加していますし、それも障害のあるメンバーのお家からの持ち出しで賄っている状況です。お稽古事として考えると彼らがお金を払うものなのでは、となりそうですが、表現活動においてはみな同等の関係。本当は全員にミュージシャンとしてギャラを払えたらベストなんです。障害がある人が自分でお金を稼ぐことができる場にする、そういう意味でもこの団体を続けていくことは社会的に価値があると考えています。
音遊びの会は自主公演で100人ぐらいの集客ができていて、これは実はすごいことなんです!即興音楽なんてそもそも集客しにくいでしょう(笑)ただ、メンバーにギャラを渡すことは大人数ということもあり、まだ難しい。多くの善意に支えられてようやく活動を続けられています。そういう中で外からの支援はとてもありがたいです。
シオコレ-シオコレは経済的支援だけでなく、音遊びとコラボもしたいです!
飯山-そうですね!
シオコレのファッションショーを一緒にやれたらいいですね!それぞれコーディネートしていただいた古着の衣装で出演!ファッションに興味を持つメンバーもいるかもしれません。
シオコレ-それはめっちゃいいですね、やりたい!あと、シオコレがサポートするマンスリーアーティストメンバーに、音遊びのたいせい画伯にも加わっていただきたいなあと思ってるんですが。
飯山-新作ありますよ!LINEスタンプもありますし。他にも面白い作品作ってる人がいます。
シオコレ-それはぜひご紹介よろしくお願いいたします!Tシャツとか、グッズも考えたいなあ。とてもワクワクします。また対談も定期的にできたらいいですね。今後ともよろしくお願いいたします!
飯山ゆい|1981年生まれ。幼少よりクラッシックピアノを学ぶ。神戸大学大学院にて美術家ヨーゼフ・ボイスに傾倒するなか、同ゼミの沼田里衣氏が立ち上げた音遊びの会に参加。発足当初より運営事務を担い、2017年より会代表。イベント会社勤務、高校講師などを経て、現在はピアノ講師、障害のある人との音楽セッション、音楽ワークショップ・イベント事業の企画などを行う。オトノバ主宰。
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飯山ゆいさんありがとうございました!
「音遊びの会」は、いち音楽団体としての歩みをこれからさらに加速していきながら、ほんとに生きやすい社会ってどんなの?ってパンチを繰り出し続けていく。凄いエネルギーだし、めちゃくちゃカッコいいと思っています。音遊びの会×シオヤコレクション!何ができるか!武者震いしながら楽しみたいと思います!
★次回は、NPO法人GivingTreeの野口婦美子さん、畑山麗衣さんのお2人との対談を予定しています。ぜひお楽しみに!!