プロジェクトをブログやサイトで紹介
テキストエリアのコードをあなたのブログやサイトのHTMLに張り付けると、右にあるようなプロジェクトウィジェットが表示されます。
妹島和世さん設計のSHIBAURA HOUSEにドミトリーをクラウドファンディングで実現!
地域のコミュニティスペースとして運営してきたSHIBAURA HOUSE。今回、館内のワンフロアを宿泊施設に改装。世界のゲストを地域とつなげる、美しく、ユニークなドミトリーをスタートします
テキストエリアのコードをあなたのブログやサイトのHTMLに張り付けると、右にあるようなプロジェクトウィジェットが表示されます。
SHIBAURA HOUSEは、東京・芝浦にあるガラス張りの建物を拠点に、地域と世界をつなぐ多様な活動を展開する文化交流施設です。建築家・妹島和世による開放的な建築空間のもと、ワークショップ、トークイベント、アートプロジェクトなどを通じて、人々が出会い、学び、共創する場をつくっています。世代や分野を超えた対話から、新しい社会のあり方を模索する実践の場として活動しています。
地域のコミュニティスペースとして運営してきたSHIBAURA HOUSE。今回、館内のワンフロアを宿泊施設に改装。世界のゲストを地域とつなげる、美しく、ユニークなドミトリーをスタートします
東京・港区にあるスペース、SHIBAURA HOUSEの代表、伊東勝と申します。私たちは2011年の開館以来、自社社屋の一部を無料開放し、地域のコミュニティスペースとして運営しています。私たちは地域の人たちが集い、さらに世界の人たちともつながる場づくりを目指しています。
通りに面して建つガラス張りのSHIBAURA HOUSE。1Fはだれもが無料で使える公園のような空間です。朝からやってくる隣に住むおばあちゃん、黙々とランチを頬張る会社員、宿題に取り組む小学生、さらには海外からのビジターなど。オフィスとマンションに囲まれた都心にあっても、毎日さまざまな人たちが立ち寄ってくれます。
地域のみなさんと海外からのビジターが集う1F
SHIBAURA HOUSEは世界的に活躍する建築家・妹島和世さんが手掛けた空間としても知られています。妹島さんの建築の特徴は感性的な美しさをもちながらも、街に開かれた、おおらかな空間をつくり出すこと。国内では建築ユニットSANAAとして「金沢21世紀美術館」、海外では「ルーブル美術館別館(ランス)」「ニューミュージアム(ニューヨーク)」などが代表的な作品です。
宿泊できるスペースをつくりたい
いま、私たちはSHIBAURA HOUSEをアップデートすることに挑戦しています。具体的には、これまでオフィスとして使用していたワンフロアを数人が泊まれるドミトリー(複数の人が一緒に泊まるスペース)へとリノベーション。今回の設計も妹島和世さんに依頼。これまで以上に多様な人たちが集い、より深くつながる場を作ります。
「ゲストルーム」と名付けたこのスペースは先日工事が完了。2025年11月から主に関係者に宿泊してもらうソフトオープン期間として運営し、2026年1月から一般の方も宿泊可能となる予定です。
今回、私たちの次なる目標を実現するために、クラウドファンディングを通じて皆さんからのサポートをお願いすることにしました。
完成したばかりの「ゲストルーム」。妹島さんらしいユニークで美しい空間に仕上がりました ( model: Kaho Kogure, Yosuke Meguro )
会社の存続と変貌する地域
まず、私たちの会社について紹介させてください。SHIBAURA HOUSEの前身は1952年に港区愛宕で創業した製版会社です。創業後しばらくして同じ港区にある芝浦に移転しました。
「製版」とは印刷する際に必要となる版下を作る作業を指します。創業以来、大手企業を顧客とした新聞・雑誌広告の製版を仕事にしてきました。
写真上: 旧社屋の1Fに設置されていたオフセット印刷機 写真下: 旧社屋の外観(撮影 Forward Stroke)
私が父の経営していた会社を引き継いだのは2010年のこと。しかし2000年以降は紙媒体における広告需要の減少によって業績が低下。製版事業としての先行きが見通せず、将来を見据えた事業の再構築が必要でした。
ただ幸いなことに、手元には多少の資金と社屋が建つ土地が残っていました。そこで老朽化した社屋を思い切って建て替え、社名も変更し、会社のありかたを根本的に転換しようと考え始めました。
都市で暮らすことの孤独感
一方、会社のある芝浦は約100年前から造成された埋立地としての歴史があります。私が幼いとき、ここは倉庫街でした。街は暗く、閑散とした雰囲気で、週末にはほとんど人を見かけませんでした。
しかし2008年頃からは大規模な再開発が進み、状況は一変しました。高層マンションや大型のオフィスビルが隙間なく建ち並ぶようになったのです。
開発によって、住む人、働く人が増えることは必ずしも悪いことではありません。しかし開発を優先するあまり、この地域には皆が集い、知り合うことができるような場所が少ないことが気掛かりでした。
実際、隣のオフィスで行われている仕事や、マンションの隣室に住んでいる人について知る機会はほとんどありません。以前、私たちが地域に暮らす人々にヒアリングした際には、子供から大人までの70%近くが寂しさや孤独を感じていると回答がありました。そのことは古くからこの地域に根を下ろす私たちにとっても、向き合うべき課題のように思いました。
JR田町駅から芝浦方面を望む
社員と地域で使う「ひとつの家」
私たちの会社の存続と地域の課題。できることなら、ふたつの課題を合わせて解決する方法を考えてみたい。そうしてたどり着いたアイディアが「社屋を公園のように開放しながら、新しい事業を生み出すこと」でした。
一緒に食事をしたり、ワークショップに参加したり。地域のみなさんが集まってさまざまなアクティビティが生まれていくスペースをイメージ
私は学生時代にアートを学んでいました。在学時、妹島和世さんが設計した建築を見る機会があり、それまでに見たことのないような建築のスタイルに衝撃を受けました。
建築自体のユニークさ、美しさもさることながら、周囲に対して大胆に開かれたあり方に強く惹かれたのです。そのインパクトがずっと心に残っていたため、社屋の建て替えを決断した際、妹島さんに設計を依頼することに迷いはありませんでした。
実際に妹島さんに設計を依頼することが叶い、設計プロセスと建設工事を経て、2011年に新しい社屋が竣工しました。そのコンセプトは自社の社員と地域の皆さんが一緒に使う「ひとつの家」です。
5階建ての建物ですが、スキップフロア構造(床の高さが一部異なる)になっており、上下の階層がユニークな階段でつながります。建物全体はガラスで覆われ、内部の活動を外から眺めることができます。周囲との一体感を生み出す、とても斬新な空間が完成しました。
2011年の竣工当時の写真(撮影 イワン・バーン)
私たちはそれをSHIBAURA HOUSEと名付け、1・2階を地域のコミュニティスペースとして無料で開放することにしました。公園のような場所を用意することで、人々のつながりをつくりたかったのです。
それからずいぶんと時間が経ちました。このスペースが地域に浸透してからは、ここで知り合った人たち同士で支えあったり、一緒に活動するような関係が日常的に生まれるようになりました。都会の真ん中でこのような光景を見られることに、私たち自身が驚いています。
一方、会社としての事業面では空間を活かしたスペースレンタル事業、港区役所との地域活性化事業など、以前には存在しなかった案件も生まれてきました。その点で言えば、かつての製版会社から大きく転換することができたと思います。
運営をスタートして14年。今ではみなさんが気軽に立ち寄る場所に
SHIBAURA HOUSEのもうひとつの一面。それは海外との文化交流の拠点になっていることです。なかでも、同じ港区にある在日オランダ大使館とは開館当初からつながりが生まれ、デザイナーや建築家、ジャーナリストなどを招聘したイベントを数多く開催しています。やがてスイスやオーストリア、スウェーデン、台湾との国際的なネットワークも拡がり、文化的なハブとして認知されるようになりました。
SHIBAURA HOUSEでイベントがある場合、芝浦に住んでいる人に限らず、各地からさまざまな参加者が集まります。たとえば数年前、オランダのオンラインメディア「デ・コレスポンデント」の創設者を招聘したことがあります。彼らがつくったのは既存のテレビ局・新聞社とは異なり、一切の「広告」がないジャーナリズムのプラットフォームです。
その際、SHIBAURA HOUSEと早稲田大学でイベントを開催し、あわせて200名近い現役のメディア関係者が集まりました。参加者はその理想的とも思えるジャーナリズムの登場に一様に驚き、各種メディアでも取り上げてくれることになりました。メディアが抱える閉塞的な状況に、新たな選択肢を提示できたと思います。
そのほかにも、LGBTQ、サーキュラーエコノミー、新しい公共政策や都市計画など、これからの社会にとって必要となるテーマで海外のゲストを招き、日本の関係者との接点をつくってきました。
写真上: 「デ・コレスポンデント」の創設者、ロブ・ワインベルクさんを招聘したトークイベント。写真下: オーストリアの建築家が社会課題と建築をテーマに企画した「Social. Space.Matter」展
宿泊スペースの必要性
開館から14年。振り返ってみると、竣工直前に起こった東日本大震災、直近ではコロナ禍など、想像もしなかったような社会状況に直面しました。運営にあたってはさまざまな難しさがありましたが、むしろそうした社会状況にこそ、SHIBAURA HOUSEのような場所が必要だと確認することができました。
私たちがこれまでに実現できたことをまとめると、以下の事柄になります。
定期的に開催しているこども食堂「月のキッチン」
しかし、最近の課題として、国内の遠方や海外からやってくる文化関係者の滞在先の問題が挙げられます。というのも、周辺ホテルの宿泊費が高騰し、長期的な滞在が難しくなっているからです。芝浦近辺にあるビジネスホテルのシングルルームは日によっては一泊2万円近くすることがあります。
円安とはいえ、彼らが渡航滞在費の助成金をもらっていたとしても、その金額を支払う余裕はありません。すると予算の都合上、滞在日程を短くしたり、イベントの開催自体を見合わせることもあります。
意外に思われるかもしれませんが、〈リーズナブルな料金で滞在し、コミュニティとつながり、良い空間でイベントを開催する〉ことができる施設は東京には多くありません。
東京は世界有数の大都市でありながら、国際的な文化交流を支える基盤はとても脆弱です。もしSHIBAURA HOUSEに宿泊施設ができれば、これまで以上に地方や海外のゲストを招聘しやすくなり、国を超えて協働する企画に取り組むことができます。それは停滞気味の日本の社会・文化状況に対して、ポジティブな刺激をもたらすことができると思います。
街を肌で感じる宿泊スペース
先日工事が完了しましたが、おかげさまで私たちの想像を超えるような素晴らしい空間になりました。プランとしては、街と接するガラス張りの空間に、多面的な形状のパーティションで5つの寝室を配置。街の光やノイズを適度に感じつつ、周囲と一体となるような感覚を味わうことができます。
ガラス越しに映る横断歩道を行き交う会社員やこどもたち、信号待ちをするタクシーなど。芝浦の日常が非日常として見える不思議な体験をもたらします ( model: Kaho Kogure )
各パーティションの上部にはピクチャーレールが備わっており、アート作品などを展示することが可能です。発想次第で、宿泊と展示を組み合わせるような使い方も想定できます。ドミトリーの概念を覆す、まったく新しい空間になりました。
運営のリスクと対応策
今回の初期投資費用は概算で約3800万円。そのうち1/3は、すでに審査の通った政府からの補助金(事業再構築補助金)で賄うことができます。残りの額は自己負担です。
私たちはコミュニティスペースの運営とは別に5名のスタッフでパッケージデザインの仕事もしています。その売上の一部を自己負担分として組み込むこともできますが、昨今の経済状況も考えると決して潤沢な予算があるとはいえません。
*初期投資費用の内訳
計 3800万円
この施設は旅館業法に則った運営になるため、基本的に誰でも泊まることができます。一般向けの料金は相場程度を設定し、しっかりと売上を確保する一方、文化関係者に対しては無理なく滞在できるディスカウント料金を用意します。しかしそれは同時に、収益率を低下させる経営的なリスクであることも否めません。
その対策として、国内外の文化機関と提携し、数多くのゲストを紹介してもらうことで稼働率を向上させること、またイベントスペースと連動させるなど、収益性を高める工夫を行います。
ただし、そうしたスペースと機能が広く認知されるまでには時間が必要です。そのためにもクラウドファンディングを利用して初期費用の一部を補完し、安定的な運営につなげたいと考えています。
みなさまへのリターン
クラウドファンディングで応援してくれた方へのリターンとしては、金額に応じて宿泊チケットをご用意します。宿泊チケットは自分で使うことはもちろん、家族や知人に譲ることもできます。ぜひSHIBAURA HOUSEに足を運び、私たちの活動や空間を実感してください。
宿泊スペースはゆるやかに「2つのベッド」「3つのベッド」に区切られています。そのため、「泊まって応援コース」ではそれぞれ2人、3人で宿泊する設定にしています
A. 応援コース
今回のプロジェクトに共感し、応援してくれる方に向けたコース。もしSHIBAURA HOUSEに来られる場合には1Fのカフェでお好きなドリンクを1杯ご提供します。
B. 応援 + クレジット記載コース
「A」に加え、空間内の壁面にお名前をサポーターとして表記させていただきます。
C. 限定ポストカード + クレジット記載コース
D.ふたりで泊まって応援コース
2026年1月以降、おふたりで一泊していただくコースです。宿泊された方のクレジットも表記します。
E.3人で泊まって応援コース
2026年1月以降、3人で一泊していただくコースです。宿泊された方のクレジットも表記します。
F. 貸切で泊まって応援コース
2026年1月以降、フロア全部を貸し切って5人で一泊していただくコースです。宿泊された方のクレジットも表記します。
最後に
私たちが取り組んできたコミュニティスペースの運営に最終的なゴールはありません。その活動内容もひとことで言い表せないほどさまざまです。ただし、はっきりしていることは、そのような場所を必要とする人たち、その存在に共感してくれる人たちがたくさんいることです。
一方、このスペースの運営を続けるには、さまざまな社会の変化の波を受け入れつつも、創造的なアイディアによって乗り越えていく必要があります。ときにそれは綱渡りのような緊張感とリスクを伴います。
最後になりますが、たとえこのクラウドファンディングでサポートして頂かなくても、私たちの挑戦を知り、関心を持ってもらえるだけでも嬉しく思います。機会があればSHIBAURA HOUSEまでぜひ足をお運びください。
3000 円
5000 円
5000 円
35000 円
50000 円
80000 円