奥多摩で活躍する移住者さんを紹介【TOKYO WASABI】
vol. 2 2022-11-07 0
「奥多摩のわさびを世界へ」をスローガンに掲げ、 TOKYO WASABIの名で活動する3人(左からモモさん、ヒトシさん、タツヤさん)。
農家としてわさびを栽培するだけでなく、収穫を体験できるわさび田ツアーの開催やわさびの加工食品開発、わさび料理を提供するフードトラックなどさまざまな事業を奥多摩で展開しています。
今回のリターン品のひとつであるわさびピクルスはもちろんTOKYO WASABIの製品!
そんなTOKYO WASABIのみなさんは、なぜ奥多摩で事業を始めることになったのでしょうか。お話を聞いてみました。
わさびは日本の誇り
元々のきっかけは、奥多摩でキャニオニングのツアーガイドをしていた奥多摩の特産品がわさびであると知ったことでした。
ガイドの技術向上のためニュージーランドに滞在していたこともあるヒトシさんは、「わさびは日本ならではの良さ。世界に誇れる日本原産のスパイス。」と興味を持ち、奥多摩でわさびを生かした何かをやりたいと考え始めたのです。
その頃ヒトシさんの実弟であるタツヤさんは、日本各地を農家さんのお手伝いをしながら旅していました。ときおり奥多摩を訪れてはヒトシさんのわさびに対する想いを聞いており、そのうちに「一緒にやろう」ということになります。
そうと決まれば自分たちのわさび田を手に入れたいところですが、借りられるわさび田が見つからず、なかなか前に進めない時間が続きました。
それでも粘り強く探し続けた結果、高齢になり管理ができなくなった農家さんのわさび田や、2019年の台風被害で壊れてしまったわさび田を借り受けることができるようになります。
わさび農業の体験ツアー事業もこの頃から本格的に始めることができました。
奥多摩で見つけた家に全員集合
その当時ヒトシさんは奥多摩にあるキャニオニングツアー会社の社宅で暮らし、タツヤさんも一時的に同居していました。しかしタツヤさんはその会社のスタッフではなかったので長居することを遠慮し、ふたりで暮らす家を探し始めます。
隣町の青梅市ではいくつか物件が見つかったものの、奥多摩のわさびに携わる身として奥多摩町に住むことにこだわり、町内の家を探し続けました。その間の数ヶ月はタツヤさんだけ車中泊の生活を送っていましたが、最終的には奥多摩駅近くに家を借りることになります。
その後、ヒトシさんのニュージーランド時代からの友人であるモモさんがNZから日本に帰国するタイミングで、ヒトシさんの誘いを受けるかたちで奥多摩に移住。Webの知識があったモモさんは、TOKYO WASABIのサイト制作などを担うことになりました。
こうして3人の共同生活が始まり、TOKYO WASABIが今の体制になります。
コロナ禍でもまき続けた種
2021年3月にはわさびをふんだんに使った料理を提供するキッチンカー事業も始めたのですが、さあこれからだというときにコロナ禍に見舞われ、思うように出店できない時期が続きました。
そんな状況のなかでも3人は今できることをしっかりやろうと前を向き、まだまだ残っているわさび田の復旧作業や新規事業の構想などを進め、未来の種をまき続けます。
そして2022年3月にはわさびの加工食品工場兼テイクアウト専門店舗をオープン。植え付けから1年半かかるわさびの収穫もようやくできるようになり、ヒトシさんは「これでいよいよスタートラインに立てた。」と話します。
TOKYO WASABIのこれから
わさびを「奥多摩の良いもの」にとどめず「日本の良いもの」として世界に発信したい。そんな大きな目標を掲げながら、そのための小さな1歩として今でも崩れたわさび田をコツコツと修復している3人。
奥多摩のこれからについても聞いてみると、
「わさびは日本の歴史や食文化という観点でも重要だけど、奥多摩においては貴重な観光資源でもある。それをしっかり次世代に残していくことで、奥多摩が100年後も観光地でいられるようにしたい。」
「まず自分たちがしっかり稼げる農家のモデルケースになりたい。そうすることでわさびに限らず奥多摩の他の農産物にも良い影響を与えられるはず。」
こんな想いを話してくれました。
奥多摩駅の近くにまた新たな物件を確保したので、そこを奥多摩やわさびを取り巻く人たちのコミュニティを育む場にしていきたいというアイデアもあるそうです。
さいごに
事業が軌道に乗り始め、最近ではテレビ出演も多く、はたから見ると順風満帆に見えるTOKYO WASABI。でもそこに至るまでには「わさび田が借りれない。家が見つからない。コロナ禍でお店が出せない。」などたくさんのハードルがありました。
そんな難しい局面でもひたむきに種をまき続けたことが実を結んでいると思うと、感心せずにはいられません!
僕にとってはyoccäをつくることが未来への種まきなので、TOKYO WASABIのみなさんのような熱意ある人たちが集まるシェアハウスにできるよう、引き続き頑張ってまいります!