制作する刀剣についてのご説明
vol. 8 2022-05-23 0
このプロジェクトで制作する予定の「カシャ斬りの刀剣」についてご説明いたします。
重要美術品 脇差 銘 相模国住人広光/康安二年十月日 南北朝時代〈号 火車切〉佐野美術館蔵
黒漆塗小サ刀拵 室町時代 佐野美術館蔵
今でも棺の上に刃物を置く風習がありますが、これはカシャから亡骸を守るためだともいわれています(『遠野物語小辞典』)。
カシャを退治する刀として有名なものは、静岡県三島市の佐野美術館が所蔵する「火車切」と呼ばれる名刀です。この脇差は、付属の「黒漆塗小サ刀拵」とともに上杉家の腰物帳から謙信の腰刀であるとされるものです。
当プロジェクトではこの名刀をモデルとして、長野県坂城町の宮入小左衛門行平氏(全日本刀匠会会長)に刀剣の制作を依頼しました。宮入氏と組んでこれまで多くの作品を手掛けてきたのが群馬県東吾妻町在住の剣持直利氏(鞘師・研ぎ師)です。今回のプロジェクトのアドバイザーでもあります。その剣持氏のご紹介とご指導を受けて刀剣の制作を目指す運びとなりました。
現代に伝えられてきた確かな技術によって制作された逸品を、多くの方々に間近でご覧になっていただけたら大変うれしい限りです。また伝統文化を継承する大切さも後世へ伝えて行けたら幸いに存じます。
日本の伝統文化を受け継ぐ逸品「令和の火車切」は、まさに将来に亘る精神性の象徴となることを期待するものであります。
近々、刀剣制作の様子をアップする予定ですのでどうぞご期待ください!