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音楽狂言《寿来爺ースクルージ》をクラウドファンディングで実現!
19世紀イギリスの文学、現代スイス人作曲家の音楽作品、そして日本の狂言。
時代背景も文化も異にする三つのジャンルが、クリスマスに、能舞台で出会います。
世界に発信したい、時代とジャンルを超えた舞台がここに生まれます。
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河村典子 ヴァイオリニスト 1978年よりスイス在住。日本とスイスを拠点に室内楽を中心とした演奏活動を行い、数多くの作曲家との親密な関係を築き、また邦楽奏者や演劇、ダンスなど異ジャンルとのコラボレーションそして国際交流に根ざしたプロジェクトを実現している。 スイス建国700年記念《東西の出逢い》、愛・地球博スイス館イメージBGM およびコンサート出演、スイス日本友好140年記念《スイス若手弦楽アンサンブル招聘》、日本メコン交流年《弦楽アンサンブル・レソナンツのヴェトナム公演》、《谷川俊太郎氏のスロヴェニア・スイス招待&共演》、サントリ―ホール主催《やってみなはれプロジェクト》参加、など
19世紀イギリスの文学、現代スイス人作曲家の音楽作品、そして日本の狂言。
時代背景も文化も異にする三つのジャンルが、クリスマスに、能舞台で出会います。
世界に発信したい、時代とジャンルを超えた舞台がここに生まれます。
文豪チャールズ・ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』をご存知ですか?
どケチな老人・スクルージは、クリスマス・イブに現れた昔の同僚マーリーの亡霊に改心を促されますが、相手にしません。しかし、その後あらわれた三人のクリスマスの精霊たちに、自分の過去・世間の現在・自分に訪れる悲惨な未来を見せつけられ、それまでの自分の態度を悔います。目覚めるとクリスマスの朝。改心したスクルージはクリスマスの精神をたたえ、次々と善行を積み、たくさんの人に愛される幸せな人生を送りました。
昔の友人マーリーの亡霊に脅かされるスクルージ
2003年、私ことヴァイオリン奏者河村典子は、スイスで活躍する作曲家ワルター・ギーガー氏に新作を委嘱しました。
その結果うまれたのが、ディケンズを原作とする《クリスマス・キャロル》です。
ヴァイオリンとコントラバス、アコーディオンという従来あまりない編成でした。
もともと、パントマイムで上演する予定で書かれた作品でしたが、音楽的な要求の高さから非常な困難をともない、朗読と音楽のかたちで上演されました。
それから10年あまり、この機知に富む作品を何らかのかたちで再演したい、と模索してきました。
2014年、ギーガー氏の口から飛び出したのは「狂言とできないか?」というアイディア。
私たちは目を丸くしました。
作曲家・ギター奏者ワルター・ギーガー、ヴァイオリン奏者・河村典子、コントラバス奏者・白土文雄
12月23日17時開演
東京東中野・梅若能楽堂にて
◆狂言・善竹十郎、善竹大二郎(大蔵流)
◆演奏・ヴァイオリン・河村典子、アコーディオン・大田智美、コントラバス・白土文雄
◆音楽 ワルター・ギーガー
◆脚本 長屋晃一
そのアイディアは、日本人である私たちには思いもよらないことでした。
けれども、スイスの作曲家に先入観の壁はなく、
古典芸能の「狂言」と自分自身の音楽になにか通じるものを感じとったのでしょう。
高度に様式化され、400年間磨きぬかれた「型」の芸術である狂言。
かたや400年かけて形式と創造性を追究し発展してきた、西洋の劇音楽。
狂言が表現するのは人間のもつ「弱さ」です。
それは《クリスマス・キャロル》の音楽が表現する、スクルージの小心翼々たる人物像に当てはまるものでした。
作曲家は、そこに共通する世界を見抜いたのです。
文化・言語の差を超え、
また古典と現代の差を超え、
ジャンルの境界線を超えた舞台になるに違いない、
私たちにもそう感じさせる手応えがありました。
語り、演じる (狂言面 イメージ)
奏でる(クリスマスキャロル パート譜)
オペラや劇音楽は、まず台本、次に音楽というプロセスをとります。
ところが、《クリスマス・キャロル》の場合、音楽はもうすでにあるのです!
舞台作品として完成させるには、台本を作れる文学性、西洋音楽の高い知識、
なにより狂言に深い理解を持っていることが絶対に不可欠です。
その難題を解決できる人物が現れました。
若き音楽学者・長屋晃一氏です。
彼はオペラを研究するかたわら、自身も新作オペラや舞台の台本作成に携わり、さらに日本の古典文学に通じた、まさにうってつけの人物でした。
彼はこころよく引き受け、約4ヶ月後、
音楽狂言と銘打たれ、仕上がってきた台本《寿来爺(すくるうじ)》は、
私たちの想像をはるかに越えるものでした。
寿来爺役の善竹十郎氏
クリスマスは「降誕祭」に、スクルージは「寿来爺」に名前をあらため、
狂言の言い回しを駆使し、精霊は狂言面をつけ、
音楽との言葉ならぬ対話の中で、人間の愚かしさと温かさを伝えるに違いない。
いまだ紙の上の言葉と音符は、12月の本番を待ちきれないように胎動しています。
私たちヴァイオリン・河村典子、コントラバス・白土文雄は、すぐれた現代音楽のレパートリーの充実をめざして作品を委嘱し、演奏をしてきました。
また、今回共演するアコーディオン・大田智美氏もジャンルを超えたプロジェクトに多くたずさわり、積極的に新作を演奏する若手演奏者です。
さらに、このプロジェクトにとって幸運なことは、大蔵流狂言の善竹十郎氏と善竹大二郎氏を迎えることができたことです。
お二人とも伝統を守る立場にありながら、新しい作品に対してとても柔軟な理解を示し、積極的に舞台づくりに協力してくださっています。
異なる背景をもつ芸術のコラボレーション、新しい試みを実現するためには、
開かれた精神と好奇心、そして、高いモチベーションが必要です。
今回のプロダクションには、それらがみなぎっています。
善竹大二郎氏(精霊役)。善竹十郎氏(寿来爺役)
◆
ワルター・ギーガー (作曲) チューリッヒ
現代音楽において珍しく創作と演奏の自己完結を試みる音楽家のひとりで、その作品は声楽家E.シュヴァルツコップ女史、尺八奏者横山勝也氏、指揮者V.アシュケナージ氏、アルバンベルグ・クワルテット第一ヴァイオリン奏者G.ピヒラー氏等の高い評価をうけている。2012年サントリーホール・やってみなはれプロジェクトで好評を博した能とのコラボレーション、オペラ「夕日の耳」は記憶に新しい。
◆長屋晃一 (台本)
國學院大學文学部卒業後、慶應義塾大学にて音楽学を学ぶ、19世紀のイタリア・オペラにおける作劇法を研究するかたわら、台本作家としてオペラ《ハーメルンの笛吹男》(2012年、一柳慧氏作曲、田尾下哲氏との共同台本)に参加し、田尾下氏の舞台《ベアトリーチェ・チェンチの肖像》(2013年)、《プライヴェート・リハーサル》(2015年)のドラマトゥルグ・修辞として活動。
◆善竹十郎 (大蔵流狂言)
昭和19年生。故善竹圭五郎の長男。父及び祖父故善竹彌五郎(人間国宝)、大蔵流24世宗家・故大蔵彌右衛門(伯父)に師事。重要無形文化財総合指定保持者。早稲田大学政治経済学部卒。(公社)能楽協会、(社)日本能楽会会員。昭和58年芸術選奨文部大臣新人賞、平成5年大阪文化祭賞受賞。
◆善竹大二郎 (大蔵流狂言)
昭和56年生。善竹十郎の次男。父及び祖父故善竹圭五郎に師事。5歳「靭猿」の小猿役で初舞台。その後「末広かり」「那須」「三番三」「釣狐」を披く。駒澤大学文学部卒。(公社)能楽協会会員。
◆河村典子 (ヴァイオリン)
スイスと日本を拠点に演奏活動、指導活動、数々のプロデュース活動。NHK・FM 「ベストオブクラシック」「名曲リサイタル」NHK・BS第2「クラシック倶楽部」愛・地球博スイス館コンサート出演。国際交流基金の助成を受け2008年谷川俊太郎氏の朗読とともにスイス・スロヴェニアツアー、2009年メコン・日本交流年認定事業ヴェトナム・ツアーを実現する。社会起業家フォーラム・パートナー、シンクタンク・ソフィアバンク・パートナー。
◆大田智美 (アコーディオン)
2009年フォルクヴァンク音楽大学(ドイツ)ソリストコースを首席で卒業、ドイツ国家演奏家資格を取得。御喜美江に師事。また、ウィーン私立音楽大学 でも研鑽を積む。第三回JAA国際アコーディオン・コンクール上級の部、第3位入賞。日本をはじめヨーロッパやアメリカなど国内外各地 で演奏活動を行う等、特に クラシックや現代音楽の分野で新しいアコーディオンの可能性を追求し、その魅力を発信する新進気鋭のアコーディ オン奏者である。
◆白土文雄 (コントラバス)
ミュンヘン音楽大学マイスターディプロム取得後、1978年チューリッヒ・トーンハレオーケストラに首席奏者として入団、1990年同オーケストラを退団以降、貴重な独奏、室内楽奏者として幅広く活躍する。2009年9月、国際交流基金の助成を受け、外務省メコン・日本交流年事業として弦楽合奏団「アンサンブル・レソナンツ」ヴェトナム・ツアーを監修。ジュネーヴ国際音楽コンクールコントラバス部門審査員。
楽器奏者たちの練習風景
音楽と言葉、西洋と東洋、現代と古典、このプロダクションには三つの境界線があります。
「音楽狂言」とはそれらの境界線を越えた新しいジャンルという意味をもっています。
境界線は消えるのではありません、境界線はあります。
その境界線の上で、想像力と創造力を駆使し、新しい出会いと文化の対話を楽しむことが、
コラボレーションの醍醐味です。
そこには観客の皆様が立ち会い、演奏者と同じく想像力をはたらかせ、
対話に加わっていただくことで、はじめてコラボレーションは成功するのだといえます。
日本の観客、そして世界の観客と、境界線を越えた対話をし、その「場所」にいることの喜びを共有したい、それが私たちの願いです。
時空を超えて(梅若能楽堂)
このプロジェクトは、まったく新しい試みであり、
上演に携わる全員が新進の気鋭に富み、その普遍性と将来性を確信しています。
ところが、新しい試みであればあるほど、どうしても身構えられてしまうことが多い。
私たち自身、何度もそのようなことがありました。
このプロジェクトに共感し、新しい舞台の誕生に立ち会っていただきたい、
クラウドファンディングでご支援を求めるのも、
この試みと世界への発信に対して、ご関心とご理解を一人でも多くの方々にいただきたいためです。
それは、このプロジェクトを成功させるための大切な柱です。
なぜなら、支えてくださろうとする方々のご賛同とご厚志こそが、
作品を創り上演していくための励みであり、作品の力になるからです。
自主公演には大きな問題があります。それは経費です。
能楽堂は入場者数が300席ほどの会場です。
演奏会を開くための経費には、ぎりぎりの、あるいは赤字覚悟の舞台づくりになります。
今回のような、かつてない《未知のパフォーマンス》の舞台に、
広く一般的な興味と理解を獲得していくためには、そして
それを世界に発信していく、という夢をかなえるためには
何よりも説得力のある上演の機会を重ねて行かなければなりません。
そして、それには紹介・プロモーション資料としての
質のよい映像・画像と国際語である英語による公演記録が必要不可欠となります。
残念ながら、現在の予算ではそうした映像・記録の作成する資金がありません。
皆様からいただいた支援金(目標金額35万円・手数料含む)は、
主として充実した記録作成と次に繋げるプロモーション活動のための資金として
活用させていただきたいと思っております。
12月23日、能楽堂での公演は決定しています。
目下、作者と狂言演者による台本の推敲と稽古、
3人の演奏者による練習を進めています。
リスクは、チケットの販売が10月初めになったことです。
出足が遅れたことが、多少のリスクを感じさせます。
また、コラボレーションにつきまとう偏見や先入観もまた、
不安を感じさせないわけではありません。
しかし、賛同してくださる方がいる、というのが目に見える
クラウドファンディングによって大きく軽減できるに違いないと考えております。
上演は決定しています。
すでに動き出しています。
本番での良い記録が取れ、世界に紹介できるように関係者一同ベストを尽くしています。
もし設定金額に達成しない場合でも、
もちろん、手作りの、簡潔な形での必要最低限の資料作りはして行くつもりですが。
この貴重な上演の機会を活かし、多くの方の共感とご支援を得て納得の行く記録を残し
次への展開につなげられれば、と願っています。
長年、楽譜店の棚には乗っていない曲を弾いてきました。
時代を共にする作曲家たちの作品、繰り返し弾きたい曲、次の時代に残したい曲、
そういう作品を求めていったら自然と日本の古典に繋がる曲がたくさん出来上がっていました。
今回の 音楽狂言《寿来爺》(W.ギーガー クリスマスキャロル)もまさにそういう曲です。
西洋の音楽を長年やってきたはずなのに、そして、自分の時代に生まれる作品への興味が尽きなかったのに、いつの間にか自分のルーツを新しく発見することになりました。
不思議なものですね。
長文を最後まで読んでくださってありがとうございます。このプロジェクトの、世界への発信にお力をお貸しくださいましたら、この上ない喜びです。
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30000 円
50000 円