4/25、NOON裁判の判決まであと一週間!! (4/4シンポジウムのレポート)
vol. 41 2014-04-18 0
コレクターの皆さま、ご無沙汰しております「SAVE THE CLUB NOON」企画の佐伯です。
いよいよ来週4月25日(金)、NOON裁判の判決の日が近づいてきました!
NOON摘発からちょうどまる2年目の4月4日、『どう考えたらいいの?ダンス営業規制問題~NOON訴訟から見えてきたもの』というシンポジウムがNOON+CAFEで開催されました。
歴史的な判決が予想される今回の裁判、「SAVE THE CLUB NOON」のコレクターの皆さまには特に関心を持っていただきたく、遅くなりましたがご報告させていただきます。
パネリストと司会は裁判で証言台に立たれた学者三名とNOON訴訟弁護人のお二人。
永井良和教授(関西大学社会学教授・社会学者)
高山佳奈子教授(京都大学大学院法学研究科・刑法学者)
新井誠教授(広島大学大学院法務研究科・憲法学者)
水谷恭史弁護士(NOON訴訟弁護団主任弁護人)
司会:西川研一弁護士(NOON訴訟弁護団団長)
シンポジウムの冒頭で「SAVE THE CLUB NOON」の映像も少し流していただきました。
風営法について研究してこられた第一人者である永井教授は、ダンス営業規制についての歴史的経過を明治時代にまでさかのぼり説明。現在においてはダンス営業規制が如何に時代遅れであると解説されました。
刑法学者である高山教授は、ダンス営業規制はペアダンスが売春につながると考えられていた時代のもので、後年に制定された売春防止法が直接的に規制していることから風営法のダンス規制は歴史的役割を終えている、憲法適合性も実質的処罰根拠も失っている、と強く明言されていました。
憲法学者の新井教授は、時代に沿って法律を改修していく必要があるにも関わらず、そのまま残ってしまっている法律であることを指摘。クラブはコミュニケーションの場としての重要性があり、それに対する制約は「表現の自由」という視点からも問題視できると話されていました。
裁判の最終弁論でも一時間に渡り無罪を訴えた水谷弁護士は、検察側の主張する風営法上のダンスの定義、「男女の享楽的な雰囲気の醸成、性風俗のびん乱等社会の風俗に影響をおよぼす可能性があると社会通念上認められる舞踏」(???)についてに認識が、摘発にきた捜査官によってバラバラだったこと、摘発時のビデオのデータが消去されている事などを上げ、NOONの摘発が如何にずさんな捜査、摘発であったかを解説。その上で、捜査官自体も何を取り締まるべきなのか、何をもって違反とすべきなのかが曖昧な中で職務としていい加減な捜査に至っている、そういう意味では彼らもこの法律の被害者と言えるのではないか、と話されていました。
詳しくはこちらの記事でご覧になれます↓
風営法とNOON裁判を巡るシンポジウム「どう考えたらいいの?ダンス営業規制問題」レポート<前編>
NOON裁判から見えた「ダンス営業規制」の驚くべき実体「どう考えたらいいの?ダンス営業規制問題」レポート<後編>
テレビ、新聞などのメディアも多く来ていました。おそらくは来週中の夕方や夜のニュースなどで、25日は必ず判決結果が報道されます。映画の映像も数社に依頼され渡しているので使われるかもしれません。
シンポジウム後半、永井教授が目に涙を浮かべながら
「私たちのこの社会は、金光さんを有罪にしてはいけないのです。何十年とこの風営法の問題と取り組んでこられたいろんな先輩が私にそう告げているようです...。」
と言葉に詰まりながら話されていたのが深く印象に残りました。
永井教授は「SAVE THE CLUB NOON」についても
「京都木屋町の増えすぎた風俗店などの治安対策として、寛容な繁華街としての街づくりの為、文化施設として再利用された経緯を持つ立誠小学校で「SAVE THE CLUB NOON」を観ることが出来た」
と発言されたのを聞き(そういった経緯を知らなかったので驚きました)、まさに時代と風営法が摩擦を起こしている様にも感じました。
社交ダンスの日本ダンススポーツ連名大阪支部の野本さんも、社交ダンスと風営法のダンス営業規制問題の長年の関係性、そして裁判への激励の言葉を述べられました。
宮本監督と僕も少し挨拶をさせていただきました。
事件をきっかけに「SAVE THE NOON」が開催され、「SAVE THE CLUB NOON」として撮らせてもらい、当サイトでコレクターの皆さまにご支援いただき、完成、公開、そして現在までの時間を感慨深く感じました。僕たちは映画という形で参加させてもらっていますが、金光さんを中心に、金光さんが出会ってきた様々な人達が共鳴し合い、それぞれが専門分野で出来ることを精一杯やってこられた2年間だったんだなと改めて実感しました。
パネリストの先生たちの最後の一言もそれぞれに印象深い言葉でした。
新井教授「裁判官が今回の判決で憲法判断を出来るかどうか、そこが見所です。」
高山教授「25日に無罪判決が出ることを確信しています!!」
永井教授「戦前から続くこのダンス営業規制問題に何らかの答えが出ることを期待しています。」
水谷弁護士「私には金光さんを無罪にする義務があります...!!」
最後に金光さん、これまでの2年間に関った多くの関係者の方々への感謝の言葉と、裁判の判決を前に不安と期待の入り交じる心境を話されシンポジウムは終了しました。
そしてアフターパーティー、DJ MIZUTAさんのかける曲で高山教授たちが踊りだし、クラブミュージックで社交ダンスが繰り広げられ、大いに盛り上がりました!!(もちろん営業ではないので風営法は関係ありません)
NOON裁判の判決は4月25日(金)午前10時から大阪地裁2階の大法廷で言い渡されます。
歴史的瞬間に立ち会いたい方は、ぜひ足をお運び下さい!
判決の後、すぐ近くの弁護士会館で会見も開かれるそうです。
傍聴は抽選になる可能性があります。早めに行くのをお進めします。
最後に、個人的に忙しく仕事にかまけて映画関係の報告が遅れてしまっていることをお詫び申し上げます。また、この記事は一部僕の記憶を元に書かれていることから、発言のことばじりなど正確ではない場合があるかと思いますが、どうかご了承下さい。(写真協力:若本洋平)
明日から新潟での上映がスタートします!
★新潟 シネ・ウインド
2014年4月19日(土)~4月25日(金) 連日19:30~
上映後トーク:4月19日(土)宮本杜朗監督、佐伯慎亮(企画)
★東京 吉祥寺バウスシアター 爆音映画祭
2014年5月23日(金)16:15〜
第7回 爆音映画祭HP
イベントでの上映など、まだまだ募集しています。
各地での上映を企画していだだける方は info@savetheclubnoon.com までご連絡下さい!