李信恵さん(ライター)から応援メッセージをいただきました!
vol. 6 2018-06-20 0
私の生まれ育った東大阪市では、「朝鮮文化に親しむ東大阪子どもの集い」が30年以上開催されています。私はこの「集い」に、中学生の時にチョゴリを着て出演しました。
この「集い」では、同じ地域で生き抜いてきた夜間中学校のハルモニたちも毎年出演していました。ハルモニたちは話します。「文字が書けるようになって、ほんとうに嬉しい」「勉強がしたかった」「学校に行きたかった」
幼いころの私は、学校に行けること、学ぶこと、文字が書けることはすでに「当たり前」のことでした。在日朝鮮人の私が、「当たり前」を手に入れる前に。ハルモニたちのどれほどの苦労があったのか、その時まで知りませんでした。ハルモニたちは夜間中学校で学び、文字を自分のものにしたからこそ、話してくれたのだと思います。
桜本のハルモニたちとは、2年前にお祭りで出会い、朝鮮半島の音楽に合わせて一緒に踊りました。当時は(今も)川崎でも辛いことが現在進行形であったのに、大阪から来たと云うと「えらいな」「がんばってるな」と頭をなぜてくれました。そんな桜本のハルモニたちの話をもっと聞きたいです。
ハルモニたちの言葉は、きっと今の子どもたちにも伝わるでしょう。昔、中学生だった私は、その時に出会ったハルモニの姿に突き動かされて今に至ります。そして、今の日本の社会には、国籍を問わずしんどい子はいっぱいいます。
ハルモニたちの温かい言葉は、きっと、今の子どもたちの心を包む毛布になると思います。ほんまは私が一番、ハルモニたちの話を聞きたい。一番、読みたい本です。
李信恵(ライター)