『アウト・ワン』日本語字幕進行状況
vol. 36 2017-02-09 0
『アウト・ワン』日本語字幕ですが、8つのエピソードをそれぞれ色んな方にご協力いただいて、一旦字幕にした上で、最終的にもう一度最初から私が修正を加えて訳し直してます。
現在、ちょうど半分まで来たところですが、その進捗状況や印象、私の感想などをFBなどに書いたので、それをこちらでも共有させていただきたいと思います。
当初の予定から上映が少し遅れたので、『アウト・ワン』日本語字幕を全体的にやり直してるのですが、もうこれは本当に大変…。
まず圧倒的に即興だから、モゴモゴ訳の分からない部分とか、言い淀み、言い間違い、繰り返し、途中でやめたり会話が重なったり、そういう現実的な言葉の洪水がまず襲いかかる!
さらに日常の言葉、子供の言葉、抽象的表現、文学的引用、高度な評論、高度な評論、高度な評論、神秘的な言葉、複雑な伏線や目配せ、地口、言葉遊び、意味のない言葉の断片、微妙な皮肉や当てこすり、映画の中に存在しない出来事への言及やリアクション、謎、陰謀、妄想、誤解、勘違い、空回り、こうした様々な色合いを持つ言葉が様々な文脈とそれぞれのレベルやレイヤーを伴って複雑に重なり合ってくる。
しかも、これを12時間40分見る人がそれなりについて行ける長さの字幕に落とし込まなきゃいけないので、どこまで訳すか、どの程度ニュアンス伝えるか、あるいはこれは即興的な現実の断片なのか、仕組まれた台詞なのか、もしくはそれを字幕製作者が判断して良いのか、そのまま伝えるべきなのか?
言葉のカドを残すべきなのか、スルッと頭に入ってくる表現に言い換えるべきなのか、とにかく常にあらゆる場面で映画に問いかけられている印象です。
そして何と言っても、それが12時間40分続く!
これはメチャクチャ!
頭がおかしい!(笑)
まあ、『アウト・ワン』は映画史のモンスターですからね。この一年は丸々この映画に捧げてる気がしますが、死なない程度に頑張ります!