この方の思いこそ、社会に必要
vol. 6 2019-07-02 0
子どもたちにオペラをプレゼントしよう、という企画に多額の寄付をされた方から本を読んだ感想が寄せられました。
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『障害がある人たちと一緒に生きるのは得』『マニュアル通りの接客は気色が悪かったので彼らの有りのままで通した』等のエピソードを見て、「だからあなたも生きていていいんだよ、失敗しても作業が遅くてもいいんだよ」と言われたような気がして泣きました。ページをめくるたびになぜか泣いてしまうので、なかなか読み終えるのが大変です。
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『ぷかぷかな物語』をこんなふうに受け止めていただいたのは初めてで、とてもうれしく思いました。生きることが、ほんの少し楽になったかな、と思います。
この方は発達障害の当事者だそうです。一般の会社で働き、結婚し、三人の子どもを育てながらも、大変な苦労をされたようです。だからこそ、言葉が心の奥深くまで届いたのだと思います。
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「職場でも、家庭でも、私は他の人達のようにきちんと物事を回していくのがとても大変で、つらいのです。」
「子育て、家事でも人間関係でも上手くいかない事が多く、障害とわかった時、自分はこの世にいてはいけないんじゃないか、と思ったのです。」
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大変な人生を生きてこられたんだなと思いました。そしてその生きにくさを強いているのは、私たちが作った社会であること。そのことが私は辛いです。
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今の日本の社会システムが、人を楽しく幸せにする方向から絶望的にずれてしまっているとう事をひしひしと感じます。
間違っちゃいけない、早くしないといけない、場の空気を読んで、言われなくても察して完璧に物事をこなさなくちゃダメ。
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ご自分の生きづらさから見えてきた今の社会は、自分にとっては「拷問」です、とおっしゃっています。
そんな風に感じる人たちに私たちは何ができるのか。
前にも書きましたが、NPO法人ぷかぷかは
「障がいのある人たちの社会的生きにくさを少しでも解消する」
ということを設立目的に掲げています。そのためにぷかぷかがやってきたことは、生きにくさを強いている社会を糾弾するとかではなく、ひとつは、
「社会を構成するたくさんの人たちといい出会いを作る」
もう一つは
「ぷかぷかで働く障がいのある人たちに、そのままのあなたが一番魅力的、と言い続け、それを実践する。更に彼らの魅力をたくさんの人に伝える。」
ことです。
結果、たくさんのいい出会いがあり、たくさんのファンができました。
寄付された方は
「定型発達の方たちだってこの社会システムに潰され、辛いと思っている人は沢山いるはずです。」
と指摘されていますが、たくさんのファンができた一番の理由はここにあると思います。社会に息苦しさを感じ、つぶされそうになった人たちが、ぷかぷかへきて、自由に振る舞うぷかぷかさんに出会い、ぷかぷかの空気感にふれ、ホッとしたものを感じたのだと思います。
障がいのある人たちの生きにくさを解消することは、そのまま社会のみんなの生きにくさを解消することだったことに、ぷかぷかを始めてから気がつきました。
寄付された方は、ご自分のことを「発達障害の当事者」とおっしゃっていますが、社会の問題がこれだけ明確に見えています。社会の抱える問題をこれだけ明確に指摘できる人がいったいどれだけいるでしょう。
それを考えると、仕事が遅いとか、要領が悪い、といった評価で発達障害を抱える人の価値を決めつけている私たちの方こそ心貧しいのではないかと思います。
「子どもたちにオペラをプレゼントしよう」
という企画の趣旨を何よりも理解し、10万円もの寄付をしてくれたこの方の思いこそ、社会に必要なものです。この方の熱い思いこそが、社会を救い、社会をよくします。
発達障害の当事者の方が、社会を救い、社会をよくしようとしているのです。そのことを私たちは謙虚に受け止めたいと思うのです。
発達障害の当事者という、あなた
「あなたにいてほしい」「あなたが必要」
って、切に思います。
クラウドファンディングはあと4日です。目標達成率は72%です。もうひとがんばりです。あなたの思いをぜひ!