<製作ノート⑭>現実対虚構【2019年11月】
vol. 29 2021-11-10 0
『ブラックホールに願いを!』渡邉です。
近日新情報の解禁がありますのでぜひご期待ください。現在みんなで頑張って準備しております。
製作ノートはようやく企画決定の目前です。鬱々とした話が続いて申し訳ないです...。
2019年11月、日本の映像産業の厳しすぎる状況と、当時の話題作への嫌悪感により、何をどうすれば企画が決まるのかさっぱり分からなくなってしまいました。その頃の記憶は正直かなりあやふやです。
そんなある日、一本の映画を見ました。『新 感染 ファイナル・エクスプレス』です。
まだご覧になったことのない方は、今すぐこのノートを読むのを中断してご覧になっていただきたいです。というほどの傑作です。
僕も正直、なんかダジャレの邦題でかなり嫌厭していたのですが、ラストシーンで号泣してしまいました。人類ってこんなに泣くことができたのか...と思えるほど泣きました。
このとき、ついに「五カ年計画」が何を目指すかが見えました。
本当だと信じることができる虚構を描くなかで、現実への希望を提示することを目指すことにしました。怖くても他人と生きていこうと思えるような、外の世界へ出ていこうと思えるような物語を作ることにしました。こころざしだけでも、『新 感染』を目指すことにしました。はじめて明確に、作品のテーマに対して確信を持ちました。
当時の某話題作を観て感じた、世間との価値観の相違による自信のなさは一切気にせず、自分が面白いと思う映画を作ることにしました。
次回、とてもドラマチックに(?)『ブラックホールに願いを!』のアイデアが浮かびます。
2019年11月、角くんの監督作『レミングたち』の読み合わせにて。