大島育雄の記憶 一部公開
vol. 10 2023-10-23 0
現在76歳になる大島育雄氏は日本人として初めて北極点に到達した日大北極点遠征隊の一員でしたた。1972年に地球最北の先住民集落に入った大島さんは、犬ぞりや狩猟の技術を学び、現地民の女性と結婚、極北の地で猟師として生きていくことを決めた。5人の子どもを育てあげ、現在も集落に住みながら狩猟を営んでいる。伝統を受けつぐ凄腕の猟師として知られ、現地でも人望の厚い方です。
このクラウドファンディングによって制作する作品集「MIAGGOORTOQ」には公開しているように「大島育雄の記憶」として、今年大島さんから書いていただいた現地での50年を振り返る貴重な寄稿文を集約します。
大島さんを最初に訪ねたのは2018年の遠征。2019年には春の渡り鳥を捕まえに彼の狩猟小屋へ。伝統食のキビヤック作りを見せていただきました。そんな一緒に過ごす時間の中で、集落の歴史や、狩猟の話などいろいろと勉強させてもらいました。大島育雄さんは高齢になりつつあることから、パンデミックの間に集落からさらに北へ「人生最後」と称して、数週間の犬ぞりでの狩猟に出かけ、無事に帰還した後に犬たちを引き払いました。その間遠征に行くことのできなかった自分は「あぁ..犬ぞりを操る英雄の姿が見れなくなるのか…」と、どこか寂しい気持ちでいた。だが、パンデミックが明け、昨年再びグリーンランドを訪れた時に「また犬ぞりはじめたよ」っと、活気に満ちた彼の声を聞いたのです。
「大島育雄の記憶」は今週から始まる作品展用図録の中にも集約、また原稿の一部をインスタレーションとともに展示予定です。https://al-tokyo.jp/news/miaggoortoq/
日本では一部のコアなファンにしか知られていなかった大島さんの北極での狩猟生活50年。気になりますよね?