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ネオニコチノイド系農薬の人体への影響を検証するドキュメンタリーをクラウドファンディングで実現!
世界各地で多用されている浸透性農薬ネオニコチノイド。それは「安全」であることが謳われてきましたが、近年の研究ではそれを疑問視せざるをえない結果も報告されています。最新研究を紹介し、人体への影響を検証する映像作品を制作。
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アジア太平洋資料センター(PARC)は、すべての人が対等・平等に暮らすことのできる社会をめざして、調査研究、政策提言、市民講座「PARC自由学校」、雑誌「オルタ」の発行、フェアトレード・ブラック企業・TPPといった世界や日本社会の問題をわかりやすく伝える教材ビデオの制作などの活動を行ってきました。このたび、日本とアジアの森林をテーマにした映像制作のクラウドファンディングを行います。オリジナル・翻訳の2つの映像作品を通して、生態系を守りつつ人々の生計を成り立たせる「持続可能な森林」のあり方を提案するプロジェクトです。ぜひご支援をお願いいたします!
世界各地で多用されている浸透性農薬ネオニコチノイド。それは「安全」であることが謳われてきましたが、近年の研究ではそれを疑問視せざるをえない結果も報告されています。最新研究を紹介し、人体への影響を検証する映像作品を制作。
ネオニコチノイドはいまや世界中で最も使用量の多い殺虫剤といわれますが、一方で欧州などでは規制がかけられ始めています。その根拠の大部分は、害虫だけでなくハチなどの受粉に必要な生物さえも大量に死滅させてしまう事例が数多く報告されており、生態系への影響が甚大であることがわかってきたからです。
それでもなお各地で使われている主な理由は、ネオニコチノイドがヒトや多くのペットなどの哺乳類には比較的「安全」であると謳われていることと、効果が持続する期間が長いために農薬使用量を減らした「減農薬」栽培が可能だと主張できることです。
ネオニコチノイドが「安全」であるとメーカーが主張する根拠は、その成分がカメムシなどの害虫に対して選択的に効果を発揮すると謳われているからです。実際に、農薬メーカーはネオニコチノイドが害虫の神経系に効果的に作用し、哺乳類の神経系には比較的作用しづらいという比較研究を公表しています。しかし、「比較的害虫に効きやすい」ことは人体にとって安全であることを保障するものではありません。
ネオニコチノイドがニコチンとよく似た作用をラットの神経細胞に起こすことが明らかにされ、子どもの脳への影響が懸念されました。
ところが、ラットしかも培養系で起こったことだったので、ネオニコチノイドの残留した食べ物を口にすることによるヒトへの影響は十分に解明されていませんでした。しかし、今では検査機器の発達もあり、十分に懸念を持つに足る研究成果が国内外の研究者によって積み上がりつつあります。メーカーが何重にも掛けていたはずの保険が崩れてきたのです。
証明された問題1)浸透性農薬ネオニコチノイドは体内に蓄積する
農薬メーカーは、ネオニコチノイドは「水溶性」であるため体内に蓄積することなく、尿とともに排出されやすい性質を持っていると主張してきました。しかし、2021年に発表されたマウスに対する実験では、日本の厚生労働省が慢性毒性を認めない程度の量のネオニコチノイドを含んだエサを食べ続けたマウスの脳、肝臓、生殖細胞など、体内の各所に農薬成分が蓄積していることが明らかとなりました。
証明された問題2)浸透性農薬ネオニコチノイドは容易に体内で分解されない
もう一つメーカーから主張されてきたことは、体内に吸収されたネオニコチノイドがあったとしても、それは容易に分解されて無害になるというものでした。しかし先の2021年の実験結果では、マウスの体内に蓄積していた農薬成分の大部分は分解されないままの農薬成分でした。さらに、もともと体内の毒素を処理する機能をもった肝臓ではもっとも代謝が進んでいましたが、肝臓に蓄積されていた成分は毒性が強い代謝物として蓄積していることが確認されました。この毒性の強い代謝物は実際にヒトの尿から頻繁に検出されるものです。
つまり、「ネオニコチノイドは人体には作用しない」、「作用したとしても少量ならば影響は限定的である」、「少量の摂取であれば蓄積することはない」、「少量の摂取であればすぐに分解されて無害になる」、――この幾重にも掛けられていたはずの保険の網はすべて崩されつつあるのです。
上述の最新研究が示すのは、ネオニコチノイドがその効果を持ったまま哺乳類の体内にも浸透・蓄積される事実です。その一方で、具体的な作用が解明される以前から、厚生労働省では農薬に対する使用許可を出す前に、その毒性を哺乳類に対する実験結果に基づいて評価しています。具体的には、段階的な濃度で薬品を含むエサを摂取した動物の反応をみることで、身体に有害な影響が確認されなかった最大の濃度を安全基準とする手法が取られています。
現在日本で使用が許可されているネオニコチノイドの残留基準値は、原則としてこの毒性評価を考慮した値になっています。しかし、この毒性評価は国が独自の実験を行なうことで定まるのではなく、農薬メーカーが提出した実験結果に基づいています。実験が行われた20年以上前の技術水準では単に検出できなかっただけかもしれないのです。新しい毒性に関する知見が得られれば、農薬メーカーはそれを検証して論文として公表し、安全性を主張する道義的責任があります。しかし、それは義務ではないので、何もされないのが実情です。
それもそのはず、使う人がいて、ネオニコチノイドは売れるのです。国が一度認めたものなので、被害が出たら国も責任を負います。しかし、国はこれまでの公害事件では被害事例が積み上がるまで何十年も問題を認めませんでした。使う側・売る側は「国が許可しているものを使って何が悪い」と堂々と言い訳ができます。
実際に、神戸大学の星信彦教授の実験によると、厚生労働省が毒性を認めない量のクロチアニジンを摂取したマウスでは不安を示す行動が目立ったほか、落ち着かない様子が観察されています。このような影響は典型的な脳神経系への影響だと考えられますが、臓器の異常や発がんのように顕著な身体的ダメージとは異なります。ところが、これがヒトの子どもだったらどうでしょうか?
CC: Jan Philip Oeyen
発がんリスクを増やすようなものではないかもしれません。すぐに命を脅かすほどのものでもないかもしれません。しかし、不安行動を増やし、気持ちを落ち着かなくさせてしまう作用があれば、生活の質は大きく低下する恐れがあります。
国際自然保護連合(IUCN)の浸透性殺虫剤タスクフォース公衆衛生グループ座長を務めるネオニコチノイド研究会の平久美子医師は、発達段階にあって少量でも影響されやすく、また蓄積が心配される子どもへのネオニコチノイドの影響を強く危惧しています。
果たしてネオニコチノイドは人体に有害なのか否か? 国や農薬メーカーも交えて科学に基づいて白黒はっきりさせるための議論はこれからも必要です。しかし、「安全」だと断言してきたメーカー側の根拠が揺らぎ、グレーゾーンにたどり着いているのは確かなことといえるでしょう。私たちは、このグレーゾーン時代をどのように生きればよいのでしょうか?
北海道大学の池中良徳准教授を中心とする調査グループによる2016年の調べでは市販の食材を食べて暮らす人46名の尿、すべてからネオニコチノイドの成分が検出されました。すでに日本の市民は日常的にネオニコチノイドが体内に蓄積される生活を送っているのです。では、せめて影響の大きい子どもたちへの影響をどのように緩和できるのでしょうか?
平先生はすでに摂取させられている状況にあったとしても、今後の摂取量を大幅に減らすことで危険はある程度回避されると見ています。実際に2018年に日本の幼児に対して行なわれた福島有機農業ネットワークの調べでは、市販の食材から有機食材に切り替えると一ヵ月後には幼児の尿からほとんどネオニコチノイドが検出されなくなりました。体内に蓄積したものはまだ残っているかもしれませんが、新たな蓄積は食事を変えることで大部分を防げることがわかったのです。
ネオニコチノイドがどの程度の量でどのように子どもに影響を及ぼすのかは具体的に特定できるに至ってはいません。しかし、私たちが願うのは、そのような影響を受けた子どもは今後一人たりとも出ないことです。リスクがあることはすでに示されています。そして、リスクを回避するための手段があることもわかっているのです。予防原則に立つならば、その手段を追及しない理由があるのでしょうか? 食事を変えることは子どもたちを守ることにつながります。そのために今から何ができるのか考えましょう。
(提供:生協ネットワーク21 https://seikyo-net21.jp/)
●企画:
一般社団法人 アクト・ビヨンド・トラスト
●共同制作:
一般社団法人 アクト・ビヨンド・トラスト
特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC)
●監修:平久美子(ネオニコチノイド研究会/国際自然保護連合浸透性殺虫剤タスクフォース公衆衛生グループ座長)
9月~10月 | 取材・撮影 |
11月 | 編集・仕上げ |
11月下旬 | ショートビデオ完成・公開予定 |
本作品では最新の研究に関わった研究者自身からの証言や、研究論文の内容を専門外の市民にわかりやすく解説いただける専門家へのインタビューを交えて動物への浸透性農薬ネオニコチノイドの影響を検証していきます。また、リスクを回避するための手段も実践者の声を交えて紹介します。
分数:12分(予定)
完成した後は、浸透性農薬ネオニコチノイドの受粉生物などへの問題点をすでにご存知の視聴者に向けて、哺乳類とヒトへの影響に特化した情報提供を行なうショートバージョンをインターネット上で公開します。また、ネオニコチノイドについて知る初学者や学生のためにイチから説明するロングバージョンを追って製作し、授業・学習会向けに写真パネルデータ、ワークシートなどをセットにしたDVD教材として販売します。
金額 | 特典 |
1,000円 |
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3,000円 |
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5,000円 |
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10,000円 |
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50,000円 |
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(※1)特典:〈今日からはじめるネオニコフリーセット(産直有機野菜セット)〉について
ネオニコフリーで栽培された野菜詰め合わせを一箱産地から直送で指定の住所へお送りします。継続を希望される方は同封の申し込み用紙にご記入いただき、ネオニコフリー生活を継続してください。
(※2)完成記念上映会(オンライン開催を予定)にてスポンサータイムと題して該当する寄付者の方それぞれに30秒のアピールタイムを差し上げます。参加者への個人や団体での脱ネオニコに向けた取り組みをぜひアピールしてください。なお、完成記念イベントの模様はアピールタイムも含めて録画し、無料で閲覧いただけるようにアップロードする予定です。完成記念上映会当日にご参加いただけない場合は30秒以内で録画されたビデオを流すことも可能です。
上記の映像制作に約100万円、その後の教材開発と商品化、教育機関への普及活動で50万円の費用を見込んでいます。この費用全体に対して映像製作の100万円部分をクラウドファンディングで皆様に支援いただきたいと考えております。仮に資金が目標に達成しなかった場合にも、企画者であるアクト・ビヨンド・トラストの自主財源から作品は完成させます。しかし、近年は多くの学校・大学でも予算が削減されている中、少しでも教材の販売価格を下げることが、より幅広い層への波及に不可欠です。クラウドファンディングで一人でも多くの方にご支援いただくことは販売価格の引き下げに役立ち、より多くの視聴者にメッセージが伝えられることにつながります。
また、アクト・ビヨンド・トラストでは先進的なネオニコチノイドの調査・研究に対する助成事業を行なっています。本映像製作の財源をクラウドファンディングでご支援いただくことで、さらなる研究の発展を妨げることなく、これまでの最新研究の成果を多くの方にお知らせする機会をつくることができます。
平久美子(ネオニコチノイド研究会/国際自然保護連合浸透性殺虫剤タスクフォース公衆衛生グループ座長)
私どもがネオニコチノイド系殺虫剤の今までにない人体影響に気づいてから、早17年経ちます。その物理化学的特徴と作用機序から予想した悪夢のような結末が今や現実のものとなっています。研究を始めた頃は、世界中で群馬の青山美子先生とたった二人だったのですが、次々と協力を申し出て下さった良心と科学的好奇心にあふれる優秀な研究者と支援者のおかげで、ネオニコチノイドのヒトへの悪影響は、もはや疑う余地がないところまで明らかになっています。今までに大手メディアから何回も取材を受けましたが、ほとんど記事となることはありませんでした。勇気を持ってその第一歩を踏み出すPARCさん・abtさんを応援します。
平さんのご講演:
(オンラインイベント「ネオニコチノイド系農薬はもういらない~子どもたちを守る最新研究とオーガニック給食」より)
辰巳千嘉子(コープ自然派事業連合副理事長)
子どもたちを守るためには、私たち大人が行動を起こすしかありません。ごく少量でも影響を及ぼすネオニコチノイドの神経毒から子どもたちを守りたいですし、土壌の微生物から始まるいのちの連鎖があるからこそ、農薬に頼らない農業が可能になります。コープ自然派では、食と農と環境は一体であることを基本に、2010年から組合員と生産者がともにネオニコチノイド系農薬排除に取り組み、取り扱う農作物のうちネオニコチノイド不使用91.6%、削減中5.9%とほぼネオニコフリーを達成することができました。まずは知ることから。そして、消費者が選ぶこと、買うことで、ネオニコフリーに取り組む生産者を応援することができます。ぜひこのプロジェクトから、子どもたちの未来を守るネオニコフリーが広がることを願っています。
星川 淳(アクト・ビヨンド・トラスト〈abt〉代表理事/作家・翻訳家)
私たち現代人は、農薬や食品添加物をはじめ数えきれない環境化学物質に取り巻かれています。日本の場合は、これに東京電力福島第一原発事故由来の放射性物質なども加わるわけですが、影響のわからない化学物質の複合汚染にさらされているからこそ、避けられるものは避ける努力が必要でしょう。
中でも、21世紀に入って世界中で使用量が急増した各種ネオニコチノイドをはじめとする浸透性農薬は、“害虫”と呼ばれる標的昆虫だけでなく、ミツバチなどの益虫にも、それらを捕食する鳥類にも、水や土壌を通じてつながるその他多くの生きものたちにも悪影響を与えます。さらに近年、その深刻な影響は人間、とりわけ発達途上の乳幼児や胎児にも及ぶことが解明されつつあります。
予防原則に基づいて浸透性農薬の規制に動いた国々の研究者は、「日本人はなぜ次世代を犠牲にしてネオニコチノイドの人体実験を続けるのか?」と真顔で問いかけます。しかし、政府や企業の動きが鈍い中、ひと足先にこの人体実験から抜け出す方法があります。農薬を減らしたり、まったく使わなかったりした作物や食品を選ぶことによって体内に取り込まず、取り込んだものも排出することができるのです。また、シロアリ駆除剤やペット用衛生品も、浸透性殺虫剤を含まない安全な選択肢があります。
もっとたくさんの人が各種ネオニコチノイドをはじめとする浸透性殺虫剤のリスクを知り、それを避ける農業や作物や食品・製品を選択できるように、このビデオの制作を応援してください!
内田聖子(アジア太平洋資料センター〈PARC〉共同代表)
ネオニコチノイドが環境や生物に与える影響はこれまでも各国で指摘され、使用に規制をかける国もありました。人間への影響についてはどうでしょうか? このプロジェクトでは現在進行しているさまざまな研究成果から、それを検証していきたいと思っています。より広い視点に立てば、気候危機と災害の多発、水資源の枯渇、食料難そしてCOVID-19と、世界は数々の危機に直面しています。私たちを含む世界で、持続可能な農業や経済を実現し、食の安全や食料主権を確保するために、何が必要なのか。一人ひとりの市民にできることを、皆さんとご一緒に考えたいと思います。ぜひ本プロジェクトへのご支援をお願いいたします。
現代を生きる子どもたちは、すでに多くの化学物質にさらされています。一つひとつのリスクが小さいように見えても、蓄積していくことで大きなリスクになります。中でも浸透性農薬ネオニコチノイドは、リスクが実は想定されていた以上に大きなものであることを示す研究成果が積み上げられつつあります。そして、そのリスクを減らすための具体的な手段も見えてきているものです。行動するときは今です。一緒に子どもたちの未来を守りましょう!
トップ画像中央:photo by Aqua Mechanical
1000 円
3000 円
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