<早稲田松竹スタッフが選ぶ!>大好きな映画パンフ5選
vol. 15 2018-11-02 0
新宿・高田馬場の一角にたたずむ名画座、早稲田松竹。
1951年の開業以来「二本立て・入替なし」のスタイルを貫くこの映画館に、青春時代の思い出を重ね合わせる人も多いと思います。
かくいう私もその一人。学生時代に通っていた映画館ということもあり、ぜひ映画パンフレットにまつわるお話を伺いたい!とオファーさせていただいたところ、なんと、スタッフの皆さんへの緊急アンケートをご提案いただきました。
アンケート結果から見えてきたのは、早稲田松竹で働くスタッフの皆さんの映画への深い愛と、映画パンフレットにまつわる温かいエピソードの数々でした。
①『ヴァージン・スーサイズ』(2000年)
パンフレットにピンク色のバラの写真が使われているのですが、満開の花ではなく少しくすんだ色の、しかも枯れた花も写っていることが、映画の雰囲気にもあっている気がしてとても新鮮に感じました。当時シネマライズさんで出されているパンフレットのデザインはいつも楽しみで、映画にまつわる料理のレシピが載っているも楽しみにして読んでいました。(ちゅんこさん)
◆映画情報
『ヴァージン・スーサイズ』(THE VIRGIN SUICIDES)
公開年:2000年(日本)
監督:ソフィア・コッポラ
出演:キルステン・ダンスト、ハンナ・ホール、ジェームズ・ウッズほか
②『ボーイ・ミーツ・ガール』(1988)
ミニシアターブーム期のユーロスペースさんのパンフレットは充実した力作ぞろいですが、特に素晴らしいのがこれ。西嶋憲生さんらの論考やスチール付き採録シナリオの充実度はもちろん、独特のざらざらした紙質や字体もこの映画のメランコリックなムードを見事にマッチしていて、何度開いても飽きのこない一冊です(カラックス監督のポートレイト写真の驚愕のイケメンぶりもすごい)。この謎めいた作品に魅せられ、パンフレットを熟読していたであろう当時のシネフィル少年少女の熱狂に想いを馳せたくなる名パンフです。(甘利類さん)
◆映画情報
『ボーイ・ミーツ・ガール』(原題:BOY MEETS GIRL)
公開年: 1988年(日本)
監督:レオス・カラックス
出演:ドニ・ラヴァン、ミレーユ・ペリエほか
③『殺人の追憶』(2003)
韓国で実際に起きた猟奇殺人を元にした『殺人の追憶』。赤い服を着た女性が狙われた事件概要にちなみ、ワンピース型にくり抜かれた表紙の部分から次のページの赤色が覗くというジャケットでした。作品の世界観が表現された仕掛けに感心した思い出があります。(ミ・ナミさん)
◆映画情報
『殺人の追憶』(原題:살인의추억)
公開年:2004年(日本)
監督:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ、キム・サンギョンほか
④『CUT』(2011)
映画を観に行ったらロビーで監督がサイン会をしていた!!自分用と、早稲田松竹用に2冊買ってどちらもサインしてもらい少しお話しました。「なぜ観に来たの?」と聞かれ「西島さんのファンで」と応えたら、「彼はとても良い俳優だもんね」なんてとても気さくに話してくれました。その後、なんと西島さん本人がプライベートで観に来て、目の前で監督とハグしてました。同じ劇場で映画を観られてとてもいい思い出です。(もっささん)
◆映画情報
『CUT』
公開年:2011年(日本)
監督:アミール・ナデリ
出演:西島秀俊、常盤貴子、笹野高史ほか
⑤『アンドロメディア』(1998)
SPEED全盛期、彼女たちの顔と制服&ルーズソックス姿がとにかく可愛い写真集のようで、当時小6で大ファンだった私は何度もページを開いた。でも三池監督なのでSPEEDの写真のとなりにかならず竹中直人や田口トモロヲ、クリストファー・ドイルといったギラっとした怪しいおじさんたちの姿が並列されていて、今となっては相当おもしろいが当時はとても嫌だった。hitoeちゃんが描いた4人の劇中衣装のイラストページもあり全国系のパンフレットにしてはかなり読み応えがあった。映画の記憶よりパンフレットの記憶のほうが鮮明なタイプ。(パズーさん)
◆映画情報
『アンドロメディア』
公開年:1998年(日本)
監督:三池崇史
出演:島袋寛子、上原多香子、今井絵理子、新垣仁絵ほか
早稲田松竹スタッフの皆さん、ありがとうございました!
「映画パンフは宇宙だ!」の期間中(11/20〜25)、早稲田松竹では『レディ・バード』と『フロリダ・プロジェクト』の二本立てを上映予定。映画とパンフ、どちらも必見です!(上映期間は両作品とも11/17(土)〜11/30(金)。詳しくは早稲田松竹のホームページからご覧いただけます)
左:『レディ・バード』(グレタ・ガーウィグ監督、2017年)
右:『フロリダ・プロジェクト』(ショーン・ベイカー監督、2017年)
◆映画館情報
【早稲田松竹】
東京都新宿区高田馬場1-5-16
URL:http://www.wasedashochiku.co.jp/index.html
(取材・文=高城あずさ 写真提供=早稲田松竹)